中目黒にできた不思議な看板のお店「I’m donut ?(わたしはドーナツなの?)」
東京・中目黒駅の正面改札を出て、山手通りを挟んだ向かいにある「中目黒高架下」内に、近ごろ長蛇の列ができていると話題です。列の先頭には、ガラス張りの厨房と「I’m donut ?(アイム ドーナツ)」という看板があり、「わたしはドーナツなの?」とまるで自問自答しているかのよう。
この不思議な名前のドーナツ屋さんを手掛けているのは、福岡・六本松で絶大な人気を誇るベーカリー「AMAM DACOTAN(アマムダコタン)」のオーナーシェフ・平子良太さんです。
マリトッツォブームを牽引した存在として知られ、2021年10月には東京初出店も果たしたばかりと話題に事欠かないベーカリーが、いったいなぜドーナツ屋さんをオープンしたのでしょうか?
人気ベーカリーがドーナツ専門店を始めた理由とは?
同店の看板メニューは、店名をそのまま冠した「I’m donut ?」。実はこちら、AMAM DACOTANで連日売り切れが続くほど大人気の「生ドーナツ」と同じものなんです。
「食べた人がわくわくして驚くような気持ちになってほしい」という思いから生まれたこの生ドーナツ。“生”という言葉は、なめらかでやわらかな生地を表しています。
もちもちとしていながら、口の中で“ふわしゅわ”と溶けるような食感は、一般的なドーナツとまったく異なるため、店名のように思わず「ドーナツなの?」と聞きたくなるほど。「新食感のドーナツ」という感想を述べるお客さんが多いそう。
しかし、AMAM DACOTANでは人気すぎるがゆえに買いたくても買えないお客さんが出てしまっていることから、平子さんは新しくドーナツ専門店を作ることを決意。今年3月18日、I’m donut ?のグランドオープンに至ったというわけです。
ドーナツ生地のおいしさの秘密
ドーナツの生地に使用するのは、すべて国産小麦。I’m donut ?では、数種類の粉をブレンドして、ブリオッシュ生地と菓子生地の2種類を作っています。どちらの生地も、長時間低温熟成発酵させているそう。
生ドーナツ用のブリオッシュ生地の中には、つなぎとしてオーブンで焼いたカボチャを皮ごと混ぜ込んでいるのがポイント。これにより水分量の高さがキープされ、なめらかでモチモチとした生地を実現しているのだとか!
もうひとつの菓子生地には、北海道産キタノカオリをはじめとする数種類の小麦粉をブレンドして、ブリオッシュとは異なるふわっもちっとした食感を作っています。
トランス脂肪酸0のオーガニックショートニングを使って、これらの生地を高温で一気に揚げることで、とろけるような口溶けを生み出しているのです。