今、イタリアではピッツァの新時代が訪れています。その新しいピザとは、若い世代のピザ職人たちがSNSでもアップしている「ピッツァ・コンテンポラネア」。伝統のナポリピッツァに取って代わる勢いなのです。いったいどんなピッツァなのか知りたければ、今すぐ代々木上原の「GOOD TOWN BAKEHOUSE」へGO!

“縁高”のピッツァに世界が注目!

「マリナーラ」(1,705円)

これが「ピッツァ・コンテンポラネア」の全貌です。こちらは生地のおいしさがいちばんダイレクトに味わえる「マリナーラ」。縁がこんもりと高く膨れ上がっているので小振りに見えても直径はしっかり20cmほどあり、ひとりだと1枚で十分にお腹がいっぱいになります。

縁に気泡が入りどれだけ高く膨らんでいるかが自慢ポイント

断面はこんな感じ。横からだと縁の高さが良くわかります。「ピッツァ・コンテンポラネア」はイタリア語で「現代風ピザ」という意味で、伝統的ナポリピッツァ(=ピッツァ・トラディチオナーレ)とは生地も焼き方も異なるまったくの別物です。

一昨年頃からブームが到来、ピッツァ職人コンテストでも「コンテンポラネア部門」が誕生したり、ナポリの老舗製粉メーカーがコンテンポラネア専用の小麦粉を発売したりと、一過性ではなく新しいジャンルとして定着し、その勢いは伝統的ナポリピッツァの存在を脅かすほど。SNSでは毎日のようにピッツァ専門店やピッツァ職人が縁の高さ自慢を投稿し、いま、世界中から注目されているのです。

“生地は生き物”。その日の気温、湿度、天気などによってコンディションが変わるそう

こちらでは伝統的ナポリピッツァの基本を踏襲し、材料は水、粉、酵母、塩のみですが、系列店にベーカリーショップを持つこの店ならではのパン作りの技術を応用して、北海道産の小麦粉と全粒粉を混ぜて生地を作り、天然酵母で24時間以上かけて低温熟成発酵。オーダーが入ってから成形し具材をのせ、520℃の高温で約90秒という超短時間で焼き上げます。

そうすると、縁(=コルニチョーネ)の表面はサクッと、中は水分を含んでもっちりふわふわに仕上がります。この、「サクッ、モチッ、フワッ」が今までにない食感でクセになります。おいしくないとピッツァの耳を残す、“耳離れ”していたローマの若い世代がいまや“耳に夢中”というからおもしろいではありませんか。

大きなハサミで縁からチョッキン!

焼きあがったピッツァはピザ用スライサーではなく、大きなハサミで切っていきます。なんでも膨らんだ縁を潰さないようにするためだそうで、イタリア・ナポリの有名店でも普通のハサミを使っています。こちらのお店で使用しているのはなんと、服飾用の裁ち鋏! いろいろ試した結果、この“切れ”がいちばん良かったそう。カットして運ばれてきたらすぐに頬張りましょう。焼き立て熱々は格別です!