出来たて、ホヤホヤを頬張る! 手作りサンドイッチが人気

「チャバッタ」280円(税込)

布施シェフが活躍した「シニフィアン シニフィエ」の代表的なパンの一つが、高加水のチャバッタ。「ヴィヴィアーニ」では、イタリア産のデュラムセモリナ粉をブレンドした粉で「チャバッタ」を作っている。

開店当初は加水率が80%だったが、今は100%。柔らかさが増し、食べやすくなっている。セモリナ粉は通常の小麦粉とは違った扱いの難しさがあるが、研究熱心な布施シェフの技術で外皮がカリッと香ばしく、中がしっとりもっちりしたパンができあがった。

「フレッシュパニーノ」650円(税込)。選ぶパンによって値段は異なる

そのまま食べてもおいしいのだが、オーダーを受けてから作るサンドイッチ「フレッシュパニーノ」がおすすめ。

パニーノのパンは「チャバッタ」の他、2種類から選べ、挟む具材も生ハムとルッコラ、マントヴァサラミと白カビチーズなどイタリアならではの食材の組み合わせ、4種類から選べる。さっそく、生ハムとルッコラのパニーノをオーダーしてみた。

生ハムとルッコラを挟んだ後、仕上げにオリーブオイルをかける

具材たっぷりのパニーノにガブリとかぶりつくと、外皮がサックリと歯切れ良く、しっとりしたパンと具材が一体になり、軽快にいただける。セモリナ粉ならではの香ばしさが生ハムの旨みとうまくマッチし、ワインと合わせたくなるサンドイッチだ。

驚きの新感覚フォカッチャ! 食卓の名脇役、テーブルパンの数々

「フォカッチャ」300円(税込)

テーブルに置けば、料理をおいしくしてくれるテーブルパンも種類豊富にそろっている。

その形に驚かされる「フォカッチャ」。通常よく見るフォカッチャは平べったくて、ポツポツと穴があいているが、こちらではまん丸くふくらんだ形をしている。これは、使っているイタリア産古代小麦の豊かな香りを味わってほしいためだ。

「フォカッチャ」の断面。フワッフワにふくらんでいる

ふんわりした生地は食べ心地も軽やかで、古代小麦の甘い香りが鼻腔を抜けていく。適度な塩味とジンワリにじむオリーブオイルが小麦の甘さを引き立てて、白ご飯のようにずっと食べていたいパンだ。

種類は「プレーン」「いちじくとクルミ」「トマトとオリーブ」の3種類。そのままでも、カットしてサンドイッチにしてもおいしい。

「ポルチーニ」300円(税込)

「ポルチーニ」は布施シェフが作った同店のオリジナル。ポルチーニパウダーというイタリアらしい食材を、フランスパン用の小麦粉や北海道産の全粒粉などにブレンド。ポルチーニの酵素が生きているため、パンの成形が難しくなるが、手ごねで丁寧に仕上げている。

バゲットのような形をしているが、中はしっとりと柔らかい。パンをカットすれば、フワッとポルチーニの芳醇な香りが立ちのぼり、パンにもキノコの豊かな味わいがある。チーズやオリーブオイルと合わせて、いただきたい。

おうちで旅気分、豊かなイタリアパンと菓子の世界を堪能

イタリア菓子を詰め合わせたクッキー缶は、通販で即完売するほどの人気

パンの他にも、婚礼に振る舞われる花形クッキーや、アーモンドプードルを使ったサクサクのシチリアの焼き菓子など日本では中々お目にかかれないイタリア菓子もそろっている。

「パニフィーチョ ヴィヴィアーニ」のパニフィーチョとはイタリア語でパン屋さんという意味。小串シェフのイタリア時代の思い出の場所、ヴィヴィアーニという広場の名前と合わせて店名とした。ここからイタリアの食文化を発信していきたいという思いが込められている。

「これまでに作ったことがないパンを作っているので、難しいところもあり、まだ慣れていないところもあります。日々、研究を重ねています」と謙虚に語る布施シェフ。
まだまだ広がるイタリアパンの世界。これからの活躍に目が離せないベーカリーだ。

※本記事は取材日(2022年3月10日)時点の情報をもとに作成しています。

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取材・文・撮影:小田中雅子