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深夜バーのフード概念を覆す本気の一皿
混ぜて食べる「スリランカ式カリープレート」
松さんのイチオシは、店の一番人気でもある「スリランカ式カリープレート」。バスマティライスを囲むように、スパイシーで濃厚なチキンカレーと酸味を感じるマグロカレー、そして、10種類もの副菜がどっさり! 一皿でいろいろ味わえて、混ぜるごとに味の化学反応を楽しめるのがスリランカカレーの醍醐味だ。
カレー細胞(松 宏彰)さん
最近はスリランカ料理も広まり、「混ぜて食べる」が浸透してきたようです。けれどまずは、一品ずつ味わってみましょう。それぞれの味をインプットしたら、あとは混ぜてOK。これが、おいしさを脳に届ける順序です。
副菜は旬の野菜や豆、小魚をスパイスと一緒に煮たり、炒めたり、漬け込んだり。それぞれ混ざり合った時の調和を考えて作られているから、どう混ぜても不思議と馴染む。その奥深さを味わいながら、自分好みの味に混ぜよう。辛さレベルは中辛で、オーダー時に辛さ増しも可能。
カレー細胞(松 宏彰)さん
副菜もちゃんと手が込んでいて、スリランカ料理の味の決め手となる「モルディブフィッシュ」がふんだんに用いられています。深夜バーのフードの概念を覆す一皿ですよ。
モルディブフィッシュとは、マグロやカツオを乾燥させたスリランカの食材。かつお節に似ていることから、日本人に馴染みやすい味でもある。自家製のスリランカ式ミックススパイス「トゥナパハ」(写真奥)にも含まれ、チキンカレーや副菜に使用。木の実を乾燥させた「ゴラカ」(手前)は、マグロカレーの臭み消しと酸味付けに。
痛快な辛さにシビれる! エチオピアのカレー
気になる、エチオピアのカレーとは? 正式名称は「ドロワット」で、エチオピアの辛いミックススパイス「バルバレ」を使った激辛料理のこと。辛いものが好きな人のために、同店では本場よりもさらに辛さを出しているから要注意。スパイスで味付けした玉子と副菜でスプーン休めをしながら食して。
カレー細胞(松 宏彰)さん
エチオピアは、アフリカで最も唐辛子を用いると言われている国。これが食べられる場所って、日本で数軒しかないんじゃないかな?
カレーだけじゃない。世界のスパイス料理あれこれ
バーなので、料理はお酒に合うものが前提。10種類以上ある各国のビールやウイスキー、カクテルとともに、カレー以外にも肉、魚、野菜料理など、お酒が進むメニューを提供している。※ワンドリンクの注文が必須(チャージ料はなし。ソフトドリンク可)。
ハラペーニョの燻製「チポトレ」が利いた、スパイシーなメキシカンソースがポイント。キャベツ、パクチーと一緒に。
鮮烈なパクチーの香りとごま油が食欲をそそる、中華風サラダ。アヒルの卵を発酵させた中国の珍味「ピータン」のぷるんとした食感も楽しい。
カレー細胞(松 宏彰)さん
一品料理は黒板に書いてあるので、気になったものから頼んでいきましょう。旅人である店主が世界各地で学んだスパイス料理の味をいろいろ、お酒とともに楽しめるのがとにかく幸せ。
仙台の街ナカで、異国の味を巡るトリップへ
そういえば、店名のRitikukuは何語なのだろうと聞いてみたら、「何語でしょうね。夢に出てきたバーの名前なんです」と渡邉さん。そんなロマンチックな旅人店主との会話を楽しみながら、めくるめく異国の料理とお酒に酔いしれた夜は、旅気分でいい夢を見られそう。
カレー細胞(松 宏彰)さん
仙台の夜が一番にぎわう国分町にあり、夜通し営業しているのがとにかくありがたい。店主の旅の話もおもしろいし、遅い時間になるといろんな人が集まってきます。仙台旅行の最初の夜にここを訪れると、街の楽しみ方がきっと変わることでしょう。