深夜バーのフード概念を覆す本気の一皿

混ぜて食べる「スリランカ式カリープレート」

「スリランカ式カリープレート」1,300円

松さんのイチオシは、店の一番人気でもある「スリランカ式カリープレート」。バスマティライスを囲むように、スパイシーで濃厚なチキンカレーと酸味を感じるマグロカレー、そして、10種類もの副菜がどっさり! 一皿でいろいろ味わえて、混ぜるごとに味の化学反応を楽しめるのがスリランカカレーの醍醐味だ。

 

カレー細胞(松 宏彰)さん

最近はスリランカ料理も広まり、「混ぜて食べる」が浸透してきたようです。けれどまずは、一品ずつ味わってみましょう。それぞれの味をインプットしたら、あとは混ぜてOK。これが、おいしさを脳に届ける順序です。

ライスを軽くつぶすようにして、おかずとよく絡ませるのがコツ

副菜は旬の野菜や豆、小魚をスパイスと一緒に煮たり、炒めたり、漬け込んだり。それぞれ混ざり合った時の調和を考えて作られているから、どう混ぜても不思議と馴染む。その奥深さを味わいながら、自分好みの味に混ぜよう。辛さレベルは中辛で、オーダー時に辛さ増しも可能。

 

カレー細胞(松 宏彰)さん

副菜もちゃんと手が込んでいて、スリランカ料理の味の決め手となる「モルディブフィッシュ」がふんだんに用いられています。深夜バーのフードの概念を覆す一皿ですよ。

素材の魅力を引き出すスパイスは、料理ごとに本場のものを使い分ける

モルディブフィッシュとは、マグロやカツオを乾燥させたスリランカの食材。かつお節に似ていることから、日本人に馴染みやすい味でもある。自家製のスリランカ式ミックススパイス「トゥナパハ」(写真奥)にも含まれ、チキンカレーや副菜に使用。木の実を乾燥させた「ゴラカ」(手前)は、マグロカレーの臭み消しと酸味付けに。

痛快な辛さにシビれる! エチオピアのカレー

「エチオピアチキンカリー(大辛)」1,000円

気になる、エチオピアのカレーとは? 正式名称は「ドロワット」で、エチオピアの辛いミックススパイス「バルバレ」を使った激辛料理のこと。辛いものが好きな人のために、同店では本場よりもさらに辛さを出しているから要注意。スパイスで味付けした玉子と副菜でスプーン休めをしながら食して。

 

カレー細胞(松 宏彰)さん

エチオピアは、アフリカで最も唐辛子を用いると言われている国。これが食べられる場所って、日本で数軒しかないんじゃないかな?

長時間煮込んだホロホロの鶏肉にもバルバレがたっぷり。辛さを後押しする

カレーだけじゃない。世界のスパイス料理あれこれ

バーなので、料理はお酒に合うものが前提。10種類以上ある各国のビールやウイスキー、カクテルとともに、カレー以外にも肉、魚、野菜料理など、お酒が進むメニューを提供している。※ワンドリンクの注文が必須(チャージ料はなし。ソフトドリンク可)。

「チポトレマヨチキン」700円

ハラペーニョの燻製「チポトレ」が利いた、スパイシーなメキシカンソースがポイント。キャベツ、パクチーと一緒に。

「ピータン豆腐パクチー」550円

鮮烈なパクチーの香りとごま油が食欲をそそる、中華風サラダ。アヒルの卵を発酵させた中国の珍味「ピータン」のぷるんとした食感も楽しい。

 

カレー細胞(松 宏彰)さん

一品料理は黒板に書いてあるので、気になったものから頼んでいきましょう。旅人である店主が世界各地で学んだスパイス料理の味をいろいろ、お酒とともに楽しめるのがとにかく幸せ。

仙台の街ナカで、異国の味を巡るトリップへ

カウンターのほかに、テーブル席が2つ

そういえば、店名のRitikukuは何語なのだろうと聞いてみたら、「何語でしょうね。夢に出てきたバーの名前なんです」と渡邉さん。そんなロマンチックな旅人店主との会話を楽しみながら、めくるめく異国の料理とお酒に酔いしれた夜は、旅気分でいい夢を見られそう。

 

カレー細胞(松 宏彰)さん

仙台の夜が一番にぎわう国分町にあり、夜通し営業しているのがとにかくありがたい。店主の旅の話もおもしろいし、遅い時間になるといろんな人が集まってきます。仙台旅行の最初の夜にここを訪れると、街の楽しみ方がきっと変わることでしょう。

※価格はすべて税込です。

※ 店内は喫煙可能につき、未成年者の入店は不可となります。

※本記事は取材日(2022年1月12日)時点の情報をもとに作成しました。

※時節柄、営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、お店のSNS等で事前にご確認ください。

※外出される際は人混みの多い場所は避け、各自治体の情報をご参照の上、感染症対策を実施し十分にご留意ください。

撮影:那須川 薫
文:池田直美、食べログマガジン編集部