気取らず楽しみたい繊細なスイーツたち

「teal」から徒歩2分ほどの場所にある「ease」。2020年7月のオープンと共に、各種メディアにも取り上げられ、たちまち行列ができる人気店となった。その人気ぶりはいまだ健在だ。
パティスリーが作るクロワッサンに夢中!

「ease」と言えば、従来の枠にとらわれないセンスあふれるスイーツが注目されるが、スイーツに負けず劣らず人気なのがクロワッサンだ。

まずは形がユニーク。リボンをねじったような形でサイズも大きく、折り込んだ層の数も多い。生地に使われているのは、全粒粉など数種類をブレンドした小麦粉と、フランス産の発酵バター。生地の発酵には天然酵母を使用している。
この形にこだわりが。たいていクロワッサンは端から食べ始めるが、パクッと一口食べると、フワッと芳ばしい発酵バターの香りと共に、ガリッザクザクの食感が楽しめる。食べ進めると、今度は、天然酵母による発酵ならではのふんわりモッチリした生地が現れ、小麦の甘さがジンワリにじむ味わいに、思わずうっとり。
パンとしての存在感がしっかりあり、食べる場所で異なるおいしさが味わえる。ちょっと病みつきになるおいしさで、ファンが多いというのも頷ける。
五感で感じるケーキにスイーツマニアも絶賛

「ease」を訪れたら、やはり生ケーキは欠かせない。従来のスイーツの枠組みを超えた素材使い、けれど一口食べると素直においしいと思える絶妙なバランス。季節が変わる度に新作ケーキを待ちわびているファンも多いのではないだろうか。

「Soba」という名のケーキ。香ばしい風味のそば茶のブラマンジェと、ゴロゴロと果肉が入った文旦ゼリー。この2つを繋ぐのが、コクとまろやかさを持つピスタチオオイル。甘酸っぱさと香ばしさのバランスを整えている。「ease」ならではの五感で味わう繊細なケーキだ。
しっとりとした口溶けが長持ちする理由

オープン以来のベストセラーなのが「フィナンシェ」。ミエル(ハチミツ)、大納言、ショコラ・ノワゼット、抹茶・カシスと4種類あるが、どの種類も人気だという。
特徴は、日本橋兜町にちなんだ小判形だけでなく、生地に白あんが練り込まれていること。ほんのり素朴な甘さが優しい味わいにしてくれているだけでなく、この白あんを入れることにより、生地がより長くしっとり感を保つのだとか。手土産でもらっても、しっとりとした口溶けの良さを楽しむことができる。
大人のための贅沢バレンタイン

2月のバレンタインに向けて、スペシャルなお菓子を「ease」では用意している。「ブランデーケーキ」だ。高級ブランデーを染みこませたチョコレートスポンジ生地に、1年間、洋酒に漬け込んだドライフルーツとガナッシュを挟み、チョコレートでコーティングするという何とも贅沢なケーキ。
コーティングされたチョコレートにはアマゾンカカオもブレンド。甘酸っぱさを感じさせつつも、深い香りが心地よく、ブランデーの芳醇な香りにぴったりと合う。

歴史的な建造物の間に、トレンドを発信するショップが点在する日本橋兜町。「teal」でジェラートを楽しんで、「ease」でケーキを買うといった“スイーツ散歩”を楽しむ姿もちらほら見かける。がぜん、面白くなってきたこの街から、ますます目が離せない。