初めて食べる、ディープな料理の数々

柔らかく蒸した鴨の香り揚げ スパイシーおからソース

4時間かけて、肉がほろりとはずれるくらいまで柔らかく蒸した鴨もも肉を、香ばしくからりと揚げ、スパイシーなおからソースを添えた一品。

豆腐をよく食べる四川料理では、おからはソースとして使われることが多いが、飄香らしく香辛料を効かせたピリ辛のソースに仕上げている。

煎ったお米をまぶししっとり柔らかく蒸した四川伝統の鶏肉料理

スパイスとともに炒って砕いた米に、白腐乳(豆腐を塩漬けにして発酵させ麹に漬けたもの)とジャオマー(山椒とねぎを合わせたもの)などを加え、それをからめて蒸し上げたもの。スパイシーだが辛味はなく、ロゼワインともぴったり。

伝統的な家庭料理で、四川人に好きなおかずは?と聞いたら必ず5本の指に入るほどだという。専門店もあり、鶏だけでなく、モツ、牛、豚、ラムなど多彩な肉に米粉をまぶして蒸し上げたものを楽しむそうだ。

味噌漬けにした岩手短角牛(カイノミ)の一夜干し “酒仙”李白に捧ぐ

8世紀の唐の詩人李白が好んだと言われる料理のアレンジ。もとは、甜麺醤とラオザオ(もち米で造った甘酒)に漬け込んでからカチカチに干した豚肉を削って食べたとか。それを、岩手の短角牛におきかえて、甜麺醤とラオザオに漬けてから一夜干しにしたのがこちら。

凝縮した旨みが、ジンファンデルの濃厚な赤ワインによく合う。

怪味麺

成都は麺好きの地であるという。なかでも、1軒だけ「怪味麺」と看板を掲げている名物店の味を思い出しながら、廣瀬シェフが完成させた麺。海の遠い成都だけに、魚介のだしにはすべて乾物を使う。

現地では小さなムール貝のような干し貝を使うのだそうだが、竹韻飄香では、干し貝柱で贅沢にだしをとり、豆板醬などで辛さや酸味を複雑に折り重ねたスープに仕上げ、きのこなどの具もたっぷり加えている。

ディナーコース¥11,000 ランチセット¥2,950 ランチコース¥4,950
※価格は全て税込

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取材・文:小松宏子
撮影:松園多聞