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お菓子の歴史を語らせたら右に出るものはいない! といっても過言ではない、お菓子の歴史研究家・猫井登先生が、現在のトレンドを追いつつ、そのスイーツについて歴史を教えてくれちゃうという、一度で二度おいしいこの連載。今回は特別編として、暑い時期に食べたい「ひんやりスイーツ」特集を4回に分けてお届け。今回は、涼しげなビジュアルに癒やされる「手土産スイーツ」のおすすめ店を紹介します。
【猫井登のスイーツ探訪・夏季特別編】ひんやりスイーツ特集Part4「手土産スイーツ」
老舗のあんみつと羊羹が合体した宝石みたいな和菓子! 麻布 昇月堂の「一枚流し麻布あんみつ羊かん」
「麻布昇月堂」は、大正7年創業、100年以上の歴史を誇る老舗の和菓子店。季節の上生菓子のほか、フルーツ最中といった現代的な和菓子も並ぶ。
こちらのお店で注目すべきは「一枚流し麻布あんみつ羊かん」1,188円! 文字通り、あんみつと羊羹を合体させた、ありそうでなかった商品。水羊羹のように瑞々しく、上品な甘さの羊羹生地に、ぷるんとした食感の角寒天、もちもち食感の求肥、大粒の栗、ふっくらと炊き上げた丹波産の小豆を組み合わせたもの。
切り分ける部分により表情を変え、味わい、食感も異なるのが楽しい。見た目にも涼しげで、彩り豊か。暑さを感じる時期の粋な手土産として、おすすめの一品。
店内のショーケースに目を転ずると、お店の定番商品「麻布どらやき蕎麦」270円や、秋を感じさせる「栗羊かん」330円や「栗しぼり」330円もお目見え。こちらも合わせて楽しみたい。
どら焼きの皮はそば粉で作られ、香ばしく歯切れがよい。餡は甘さ控えめの粒あんで、中心には大きめの求肥が! 食感のアクセントになっている。
「栗羊かん」「栗しぼり」も甘さはやや控えめで、栗の風味を存分に楽しめる逸品となっている。