カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレーとスパイス#25】「SEABIRD COLONY 銀座本店」

平常時であればマニアの間で話題となって広まっているであろうお店でも、コロナ禍においてはなかなかそうもいかない状態が続いていて、もったいないなと感じることがあります。今回ご紹介するのもそんな隠れた新名店のひとつ。東京・銀座にできた「SEABIRD COLONY 銀座本店」です。

2021年6月15日に開店したこちらのお店。銀座は西五ビルの3階にお店を構えているのですが、外からは少し分かりにくいです。逆に言えば、だからこそ隠れ家感があるとも言えるわけで、店内に入ってみると実にモダンな雰囲気。

実際料理もモダンインディアン(インド料理と他ジャンルの料理をかけあわせたイノベーティブフュージョン)的な料理があったり、モダンインディアンのコースもあったりします。メインは南インド料理ですが、それを21世紀的に進化させたもので構成されています。

「シーバードスペシャルミール」

今回はホリデイランチメニューから店名を冠した「シーバードスペシャルミール」3,000円をいただきました。こちらは南インド料理のミールスを非常に豪華にしたもの。

ラッサム

まず最初にスープのようにラッサムが出てきます。ラッサム自体は非常にオーセンティックなスタイル。豆の優しさとタマリンドの酸味が融合したシンプルなおいしさで食欲をそそります。

シーフードカレー

続いて出てきたのがシーフードカレー。内容は日替わりだそうですが、この日は鮭、鯖、タコが入ったトマトベースのカレーでした。豪華ですね。

ミールス

間髪容れずミールスが到着。この日の肉カレーは猪。そしてカレー以上に目を引くのがワラサのフライ。サクッとした衣をかじると中からジューシーで程良い火入れのワラサが登場します。味付け自体はシンプルですが、カレーと合わせて食べると実においしい。

ワラサのフライ

もちろんカレーのクオリティも高いですよ。シーフードカレーはそれぞれの魚介の旨味が単体で感じられ、グレービーにはそれらが溶け込んで合わさった海のうま味が感じられるという仕上がり。猪はしっかりと煮込んでやわらかく、クセもないのですが、ちゃんと猪自体の持っているおいしさはグレービーに溶け込んでいるという。

猪カレー

ご飯もバスマティライスなのですが、長い部分と短い部分とあって非常に食感が良いです。ブレンドなのかなと思って聞いてみると、ブレンドではなくインディアゲートのバスマティライスとのこと。インディアゲートと言えばビリヤニにも良く合うことで知られるバスマティライスの人気メーカーですから、聞いて納得のおいしさでした。ランチメニューにはビリヤニもあったので、このお米で炊いたビリヤニはさぞかしおいしいことでしょう。

ミックスジュース

ほかにゴーヤのポリヤルなどものっていて、ミールスとしては非常にモダンなスタイルであり、モダンインディアン的コースへの期待が膨らむ内容でした。ドリンクもついているのですが、ミックスジュースを選べるということで珍しいなと思いそれにしてみると、フルーツと野菜のミックスジュースで、仕上げに使われているライムが非常に爽やか。隠し味にヒマラヤ岩塩を使っているというのも面白いです。

店員さんはほぼインドもしくはネパールの方ですが日本語がお上手。皆さん丁寧に説明してくれて食事への理解度が深まるのも良いサービスです。ランチで3,000円というと高いと思われるかもしれませんが、この内容で銀座という場所を考えるとむしろ安すぎるのではないかと心配になるレベル。

最初にも書きましたが平常時であればすぐにマニアに広まって人気店となっているはずのクオリティの高さです。なかなか外を出歩くこともできないご時世ですが、健康のための散歩がてら歩いて行くのも良いでしょう。この日は僕も自宅から歩いて行ったのですが、程良い運動と素敵な食事で心も体も満たされる思いでした。飲食店苦難の時期を何とか乗り越えてほしい、隠れた名店です!

※価格はすべて税込

※時節柄、営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、お店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

※新型コロナウイルス感染拡大を受けて、一部地域で飲食店に営業自粛・時間短縮要請がでています。各自治体の情報をご参照の上、充分な感染症対策を実施し、適切なご利用をお願いします。

※本記事は取材日(2021年8月17日)時点の情報をもとに作成しています。

文・写真:カレーおじさん\(^o^)/