大規模な再開発にともない、しばらくこの地を離れていた大人たちから再びの注目を集める街・渋谷。だけど、いざ来てみたら食事処に迷ってしまうというケースもしばしば。そんな、“シブヤお久しぶり組”の迷える大人たちのため、「食べログ グルメ著名人」で渋谷区初のCEO(Chief Eat Officer)を務める小宮山雄飛さんに渋谷の新&定番グルメスポットを両方教えてもらっちゃおう! というこの連載。
[定番]編15回目となる今回は、ランチはもちろん、デートスポットとしてもおすすめの「ガレットリア」をご案内します。
【大人の渋谷メシ・定番編】第15回「ガレットリア」
今回ご紹介するのはガレットとクレープの専門店「Galettoria(ガレットリア)」。 店名はガレットとトラットリアを合わせた造語で、ガレットを気軽に食べられるレストランという意味だそう。
東急本店のすぐ裏手にあるお店ですが、ここだけフランスの街角のようなオシャレな雰囲気です。
店内もフランスの田舎のオシャレなおうちにお邪魔したかのよう(実際にはフランスの田舎のおうちなど行ったことないので、あくまで勝手な想像ですが。笑)。ここだけの話、個人的に何回デートでお世話になったことか。
メニューはシンプルに3パターン。「デザートクレープ+ドリンク」1,300円、「そば粉のガレット+ドリンク」1,600円、「そば粉のガレット+デザートクレープ+ドリンク」2,200円の組み合わせから選びます。初めて来た人は、まずは基本中の基本「ハム・卵・チーズのガレット」を頼んでみましょう。
原宿なんかで売られているいわゆるクレープしか知らなかった頃、ハムや卵などの具や、円いガレットを折った四角い形など、すべてに驚いた記憶があります。
中央には、いかにも新鮮なのが分かるこんもりと盛り上がった生の卵の黄身が輝いています!
黄身を崩して全体にまんべんなく塗って、ハム・チーズとともにいただきます。
ハムの下にチーズがたっぷり入っていて、見た目以上に食べでがあります。
実はこのチーズ、グリュイエールチーズ・レッドチェダーチーズ・ゴーダチーズの3種類を使っているそうで、味と香りのバランスが絶妙なのです。粉はそば粉8割小麦粉2割の、日本そばで言うところの「二八」の割合で調合していて、そばの風味をしっかり感じながらも、ボソッとしない軟らかい口当たりも魅力です。
さらにSNS映えしそうなガレットが「サーモンとブーケレタスのサラダガレット」。レタスや水菜など、そのときの新鮮な野菜とサーモンに、中にはトマトとチーズも入った、サラダのような豪華版ガレット。
サーモンの塩気が利いた食事系ガレットですが、同時に感じるのはほのかな甘み。オリジナルのドレッシングにはちみつを使用していて、塩っぱさと甘さの絶妙なバランスが癖になります。これはシードルに合わせてもおいしそう!(お酒の取り扱いは都の条例に合わせて行っているので、お店にご確認を)
すっかり食事系のガレットを堪能したところで、お次はデザート系のクレープへ。こちらのお店に来たら、どうしても食事系とデザート系の2種類を食べてしまいます。
塩バターキャラメルのクレープはホットのカフェラテと一緒に。生地は、水分と油分をしっかり均一に馴染ませることで、もっちりした食感になるんだそう。
甘すぎない大人な味で、デザートとしても食事としても成立しそう。シンプルだからこそ、クレープそのものの味やもっちりした食感が存分に楽しめます。
そして今回、特別にクレープを作る工程も見学させてもらうことに。
こちらがイタリア製のクレープ焼き器。なんと300度もの高温になることで、外側はこんがり、中はしっとりという、ステーキでいうところのミディアムレアのような状態を作れるんだとか。
中央に生地を流します。
さっと1回できれいな円形に生地を広げます。ここで何度もいじらないことがもっちりした食感のために重要、熟練の技です。
焼き上がったら上の面を内側にして折っていきます。 外側のこんがり具合がたまりません!
パタパタッと見事に折りたたんで、お皿にのせて完成!
バターと砂糖だけの最もシンプルなクレープに、薔薇の花のように盛られたバニラアイスをトッピング。これまた絶対映えるやつです!
熱いクレープと一緒に食べるようにと、少し硬めに凍らせているアイスクリームが、少しずつ溶けてクレープ生地と馴染んだところがおいしい! 香ばしい外側と、ふんわり軟らかい内側の食感の違いもおいしさの秘訣です。
食事系ガレットとデザート系クレープ。一人で両方食べるも良し。カップルで行って、彼氏はガレット、彼女はクレープを頼んで、仲良く分け合うなんていうのも、絵に描いたようなデートで最高でしょう!
女子はもちろん男子もしっかり満足のいく、ガレット・クレープ専門店、みなさんもぜひ行ってみてください。
お土産には、鴨の形がデザインされたガレットブルトンヌ(ブルターニュ地方の厚焼きクッキー)、その名も「カモットブルトンヌ」を。バターの風味が利いた素朴な味わいが魅力。
現在クレープの持ち帰りもやっているので、近くの公園などで気軽に楽しんでみるのもおすすめです。
※価格はすべて税込