「羊肉をめぐる冒険」コースとは? その魅力をご紹介!

西麻布交差点から徒歩3分の立地に誕生した「串羊 羊サンライズ」。11,000円のコースのみで勝負する。

2021年3月19日、「串羊 羊サンライズ」が西麻布にオープンした。麻布十番で人気のジンギスカンの店「羊サンライズ」の姉妹店となる。
今回の業態は、ジンギスカンではなく羊串(羊肉の串焼き)だ。実は羊肉を用いた串焼きは、中国やトルコを筆頭に世界中で親しまれている。串焼き自体はカジュアルな食べ物ではあるが、同店では品質の高い羊肉のみを扱い、前菜なども織り交ぜながら11,000円のコース(10~12品ほど)に仕立てて提供する。なかでも、国内消費量1%以下の希少な国産の羊肉を楽しめる点が大きな魅力である。
コース名は「羊肉をめぐる冒険」。お品書きに料理名は書かれておらず、その日に提供する羊肉の品種のみが記載されており、どんな逸品が登場するのかワクワクさせられる。

鮮度のよい国産ラム肉のユッケと、定番のラムチョップ

11,000円のコースから「国産羊肉の炙りユッケ」。

前菜として供されるのが「国産羊肉の炙りユッケ」だ。新鮮な国産ラムは、まるでルビーのように輝いており美しい。肉の味をダイレクトに感じてほしいと、あえて卵黄はのせない。スネやウデなど歯ごたえのある部位を使用しているため食感がおもしろく、噛みしめるほどに上質なラムの甘みが広がっていく。新鮮な国産羊肉だからこそ可能な一品であり、他店ではなかなか味わうことができない。

「オーストラリア産パスチャーフェッドラムのラムチョップ」。ややオーバー気味に火入れすることで、ラムの脂が溶けてやわらかく仕上がる。

定番のラムチョップも、手で持って食べるという共通点から羊串のひとつとして供する。オーストラリアからチルド状態で仕入れたラムは、驚くほどやわらかで歯切れがよい。自然のなか、栄養価の高い牧草を食べて育ったパスチャーフェッドラムのため味わいがやさしく香り高い。当然だが臭みはまったくない。タスマニアマスタードが添えられているが、ひと口目はそのまま食してほしい。その豊かな風味に感動するはずだ。

ラムチョップはメイン扱いになってもよい料理だが、コース序盤で登場する。そこには、まだ空腹の状態で最高のラムを堪能してほしいという思いが込められている。

シンプルな味わいからスパイシーな一本まで、羊串のポテンシャル

鮮度のよい国産羊のもも肉をレアに焼き上げた「国産 羊串」。

前菜やラムチョップを楽しんだら、いよいよ羊串ゾーンに入っていく。この日は岩手県江刺のラム(サフォーク種 11カ月齢)のもも肉が提供された。もも肉は、脂の多いラムチョップとはまた違った赤身のおいしさを堪能できる部位。味つけは塩と胡椒のみだが、肉自体の味が濃くしっかりとした風味を感じられる。
その日の仕入れにより、ロース肉の羊串の日もあれば、ときにはフィレ肉の羊串が提供されることもあるそうだ。

羊肉の力強い旨みとスパイスの刺激がよく合う「キョフテ ハリッサヨーグルトソース」。

“キョフテ”はトルコ料理のひとつで、中東や南アジア地域などで広く親しまれている。羊の挽き肉でつくる、スパイシーなつくねのようなものだ。
「串羊 羊サンライズ」では、羊のさまざまな部位をミンチにして、クミン、カレー粉、ミントと合わせている。卵などのつなぎはごく少量にしているため、肉の旨みがぎゅっと詰まった骨太な味わい。少し辛みがありながらもマイルドな、ハリッサヨーグルトソースとの相性も抜群だ。