【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレーとスパイス#6】「サイハン レストラン&バー」「スリランカカレー ラサイ」

茨城県の小美玉市をご存じでしょうか? 茨城県の県央地域にあり、山から田畑まで緑が続く非常に長閑なエリアです。2006年に2町1村が合併してできた新しい市であり、茨城空港があることでも知られています。そんな場所に、本格的な現地料理のお店が何故か点在するのです。駅で言うとJR常磐線・羽鳥駅が最寄りですが、そこから歩くにはなかなか厳しい場所にある非常に素敵なお店と出合ったので、今週は小美玉市の隠れた名店2店舗をご紹介いたしましょう。

まずお昼に行ったのはバングラデシュ料理のお店「サイハン レストラン&バー」。お店に入るなり店員さんに「ああ! ヒサシブリデス!」といわれたのですが、僕はこちら初訪問のはず。しかし話してみると、かつて東京・小岩にあった「タッスミーヤ」の方でした。ならば味にも期待できます。数あるバングラデシュ料理メニューの中から「バングラデシュ牛のテハリと卵ブナ」1,580円と「ナスのボッタ」400円をいただきました。

「バングラデシュ牛のテハリと卵ブナ」

テハリというのは諸説あるのですが簡単に言えばビリヤニの仲間で、スパイスを使った炊き込みご飯のことです。バングラデシュにおいてはチニグラ米を使ったものをテハリということが多いようです(例外もあります)。ほろほろに煮込まれた牛肉が、短くぽろぽろとした食感が楽しいチニグラ米と合わさったテハリ。これだけで食べてもおいしいのですが、卵ブナ(卵カレー)と一緒に食べるとさらにおいしさが増します。

「ナスのボッタ」

さらにナスのボッタ(バングラデシュ伝統のマッシュ料理)も一緒に加えて食べれば、気分はもうバングラデシュ! ハンバーグ状のチキンカバブものっているので食べ応えも十分。普通のカレーとはまた違った楽しさとおいしさを感じられます。

インドネパール系のメニュー「キーマ豆腐カレーライス」600円

何故この地に移転してきたのか聞いてみると、バングラデシュ料理店が無い場所でバングラデシュ料理を広めたかったからとのこと。素晴らしい心意気ですね。東京とは違ってバングラデシュ料理を食べ慣れていない人が多い地域ですから、そんな人達のためには分かりやすいインドネパール系の料理もあり、こちらもわかりやすいおいしさ。しかしやっぱりここではバングラデシュ料理に舌鼓を打ちたいところです。

マイペースな雰囲気もあいまって、バングラデシュ現地のお店に行ったような気持ちにもなれ、満足度の高いお店でした。

※価格はすべて税込

そして夜に行ったのはスリランカ料理のお店「スリランカカレー ラサイ」。茨城がスリランカ料理の隠れ激戦区であり、東日本においては最もスリランカ料理レベルが高いということは、知る人ぞ知るところ。都内からもわざわざ食べに行くような名店が点在しているのですが、こちらはまだそれほど知名度がありません。

というのも開店したのが2020年というコロナ禍真っ只中。遠方からなかなか行けなくなってしまっているわけです(ちなみに僕は親戚がこちらにおりまして、今回は親戚の用事でやってきたのでただ食べに来たわけではないということを一応お知らせしておきますね)。

こちらも駅から離れた場所にぽつんと佇んでいるのですが、店内に入ってみれば明るくておしゃれな雰囲気。厨房には恰幅の良いスリランカ人シェフが何人かいて、期待度が高まります。

「スリランカカレー」

「スリランカカレー」1,000円と「エッグロティ」800円をいただきました。まず驚いたのはその量。とにかく大量! スパイスも塩味もガツンと利いた漢のスリランカ料理といったテイストで、パンチ力ありまくりで実においしい。

どちらもカレーを選べるのですが、カレー&ライスプレートはチキン、エッグロティはポークをチョイス。これがまたどちらも剛速球ど真ん中のスリランカテイスト。ローストしたスパイスの香りとモルディブフィッシュのだしが合わさって、日本人にもとっつきやすい味です。

「エッグロティ」

副菜も種類が多いのですが、ナスのモージュ(ナスのカレー)が特に絶品でした。混ぜて食べればまた新しいおいしさが広がります。エッグロティはロティに卵をまとわせて焼いたもの。こちらはカレーのほかに「パリップ」(スリランカの豆カレー)も付いてきて、しかも本当に大量。それでいてこのお値段はお得すぎます。茨城スリランカ料理の期待の新店だと言えるでしょう。

食後の〆には「キリティー」(スリランカ式ミルクティー)495円と「キャラメルプリン」440円で至福のデザートタイム

どちらのお店も付近在住の親戚と一緒に行ったのですが、現地料理を食べ慣れていない親戚も「初めて食べたけど、おいしいもんだね」と驚き、喜んでいたので、初心者にも安心ですし、マニアなら文字通り垂涎の料理がいただけます。

車で行ける範囲にお住まいの方は、是非とも食べに行ってみてください。海外旅行がなかなかできない今、海外に行った気分にもなれて良いですよ!

※価格はすべて税込

※時節柄、営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、お店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

※新型コロナウイルス感染拡大を受けて、一部地域で飲食店に営業自粛・時間短縮要請がでています。各自治体の情報をご参照の上、充分な感染症対策を実施し、適切なご利用をお願いします。

※本記事は取材日(2021年4月5日)時点の情報をもとに作成しています。

文・写真:カレーおじさん\(^o^)/