〈今夜の自腹飯〉

予算内でおいしいものが食べたい!

食材の高騰などで、外食の価格は年々あがっている。一人30,000円以上の寿司やフレンチもどんどん増えているが、毎月行くのは厳しい。デートや仲間の集まりで「おいしいものを食べたいとき」に使える、ハイコスパなお店とは?

おいしい料理でお腹いっぱい満たされる、本格ビストロの実力

渋谷駅から徒歩5分。宮益坂上にオープンした「ビストロ・バー・ア・ヴァン・コダマ (Bistrot Bar a vin KODAMA)」。全19席。

2020年10月21日に渋谷にオープンした「ビストロ・バー・ア・ヴァン・コダマ (Bistrot Bar a vin KODAMA)」が、食通の間で早くも話題になっている。供されるのは、日本的な要素をそぎ落とした、フランスの本格ビストロ料理。ご存じの通り、ビストロとは肩肘はらずに庶民的な料理と酒を楽しめるレストランのことで、日常使いする場所だ。シェフの児玉拓未さん、味はもちろんのことひと皿のポーションにも気を使い「フランス人のお客さまに、お腹いっぱいになってもらえる量が大前提」と話す。
実際に同店ではフランス人の姿が見られ、常連客には渡仏経験がある人も少なくない。

前菜はすべて2,000円以下。王道メニューだからこそ表れる実力

分厚く切られた、フォアグラ入りの「パテ・ド・カンパーニュ」900円。

前菜は20品あり、価格はすべて2,000円以下。「フロマージュ・ド・テッド」900円、「本日のキッシュ サラダ添え」800円、「仏産フォアグラのテリーヌ」1,700円、「エスカルゴ・ゴルギニョン」1,400円などが並ぶが、この日は定番のシャルキュトリー「パテ・ド・カンパーニュ」をオーダーした。

運ばれてきたのは、厚く切り分けられたパテ。豚肉と鶏レバーだけでなく、フォアグラを混ぜ込んだデラックス仕上げだ。食べ応えのある一品で、肉のうまみをしっかり感じられる。ワインが進むのは言うまでもないだろう。また、付け合わせにサラダが添えられているのもうれしい。

「オニオングラタンスープ」1,200円。こちらもボリューム満点で、300グラムはあるように見える。

2品目は、「オニオングラタンスープ」。こちらもビストロでよくみられるメニューのひとつ。スープをひとすくいすると、チーズ、バゲットとともに大量のタマネギが入っているのがわかる。食べるスープといったスタイルだ。
あめ色になるまでじっくり炒めたタマネギを、丁寧に出汁をとったコンソメでのばしているため、タマネギの甘みが凝縮されている。本場にならってポルト酒をきかせた深みのある味わいで、身体も心も温めてくれる。