テーマは魚と肉と、野球!? 選りすぐりの10店が集結した新グルメスポットのモデルコースを提案!

2020年2月20日、東京・日比谷公園近くにそびえる日比谷国際ビルの地下2Fに誕生したのは、個性的な10店の居酒屋が集結したグルメスポット「日ゞ小路(ひびこうじ)」。どこか懐かしさを感じながらお酒と肴を純粋に楽しめる「下町エリア」と、九州の郷土料理や地酒を堪能できる「九州エリア」の2つにエリアが分かれており、どの店舗もそれぞれの個性で魅する屋台村のような構成が特徴的です。

ほとんどのお店が東京初出店や新規開業、新業態となっているのも注目したいポイント。お酒も料理も一品ごとに手ごろな価格設定だから、いろんなお店を移動してこそ「日ゞ小路」の魅力が発見できるのではないでしょうか。そこで、おいしいものが揃ったこの小さな街を巡るのにぴったりな、おすすめ3コースを提案したいと思います!

1.【魚コース】ワンコインでもボリューム満点刺し盛からスタート

やっぱり酒の“肴(サカナ)”って言うくらいですから、居酒屋を飲み歩くなら魚の旨い店で1杯といきたい! で、ちゃんと量も満足だし、ほかじゃなかなかお目にかかれない絶品魚も味わえる2店で“はしご酒”なんていかがでしょう。

〈魚コース1軒め〉4番地「パーラー じゃりンこ」

新鮮・安いをモットーに、スタッフの元気と笑顔でお客様に感動を与えてくれる東京初進出の海鮮料理店。周囲の店舗にはない、小上がりがあるのも特徴です。鮮⿂は⿅児島を中⼼に直送しており、今夏には自社で漁船も購入し、仕⼊れ内容も豊富にする予定。海の幸への力の入れように期待が高まります。

「じゃりンこ盛り」

スタッフさんの制服の背中と店内には「魚が安いだけの店」と書いてあり、その潔さも妙に好感(笑)。と、その文句に相応しい一品が「じゃりンこ盛り」500円。5種類のお刺身が皿いっぱいに盛られてワンコインというのはコスパ良すぎです。

「ハマグリのつかみ取り」

そして見逃せないのが、体験型の「ハマグリのつかみ取り」880円。取ったハマグリは厨房で酒蒸しにしてもらえて、レモンの利いた貝だしが胃に染み渡る味でたまりません。

 

まず1軒めでジャブを打つための利用もいいし、連れが待ち合わせに遅れるなんていうときに先に軽くやっておくか……という場面にも良さそうなお店です。

 

※価格はすべて税抜

 

〈魚コース2軒め〉6番地「本格焼酎とかごしま料理 TAGIRUBA」

結構魚は堪能したけど……なんて満足感も、ここの名物を食べれば、つい「別腹!」なんて言ってしまうはず。40種類の本格焼酎と⿅児島料理を楽しめる「本格焼酎とかごしま料理 TAGIRUBA」は、「鹿児島の情報発信」をコンセプトに掲げ、現地で親しまれるメニューを提供してくれるお店です。

「茶ぶり刺身」

お茶入りの餌を食べて育ったブランドぶりを使用した、噂の名物「茶ぶり刺身」700円。鹿児島でも生産者はたった一人という上、こちらのお店と系列店でしか味わえない希少な魚なんです。臭みや油っぽさが少ないのが特徴で、ほどよく弾力ある歯ごたえは、魚の域を超えていると言っても過言ではないでしょう。

オリジナル焼酎「13」

「島美人」「黒さつま」など本格焼酎を用意する同店ですが、初めて行くならば、まずは鹿児島県姶良市にある「白金酒造」と共同開発したオリジナル焼酎「13」がおすすめ。香りは控えめでスッキリしているのに味わいはしっかりと感じます。こちらも茶ぶり同様ほかの店ではなかなか味わえないお酒なので、ぜひ一杯いっておきたいところです。

 

※価格はすべて税抜

 

2.【肉コース】鹿児島の特別な豚肉でガッツリお腹を満たす

はしごするからといっても、やっぱりおいしいものはガツンとお腹いっぱい食べたいもの。九州からの出店が多いこの日ゞ小路であれば、鹿児島名物の豚肉など、肉を楽しめる2店舗を巡るのもグルメな食べ飲み歩きコースのひとつです。

〈肉コース1軒め〉9番地「食堂つつむ」

懐かしさを感じる食堂をコンセプトに、どこかほっこりとした温かみあるお店。いかにもな“食堂”の雰囲気を色濃くするのは、こだわりの手づくり肉どうふやアジフライ。シンプルに素材の旨味が味わえるこちらで、まずは空っぽになったお腹に栄養補給しましょう。

「黒豚餃子」

とりあえずビール! と一緒に、最初に食べたいのは名物「黒豚餃子」480円。かごしま黒豚を使用したシンプルな餃子ですが、食べた途端、肉汁が口の中に溢れ、素材の旨味を堪能できる一品。

250mlの飲み切りボトルで提供する焼酎の佇まいも平成を越えて昭和な雰囲気。ロックもいいし、炭酸やレモン割、ウーロン茶を注ぐなどしてあっという間に空っぽになってしまうはずです。

 

※価格はすべて税抜

 

〈肉コース2軒め〉7番地「さつま豚酒場 八」

お腹具合も準備ができたら、2軒めは、黒豚とはまた違う鹿児島豚の魅力を味わいにいそいそと移動。やってきたこちらの「さつま豚酒場 八」は、お茶やさつまいもを⾷べて育ったブランド豚「茶美豚」を使用した料理の専門店です。

「豚もも唐揚げ」

焼酎を飲みながらオーダーしたいのは「豚もも唐揚げ」620円。薩摩では豚も唐揚げにして食べるのがメジャーで、ネギだれと絡み合った中華の油淋鶏のような仕上がり。厚切りで脂身もしっかり堪能できるジューシーさなのに、さっぱりした余韻に驚きます。

 

※価格はすべて税抜

 

「さつま豚酒場 八」
住所:東京都千代田区内幸町2-2-3 日比小路
営業時間:月曜〜金曜 11:30〜15:00 / 17:00〜22:30 土曜 11:30~19:30
定休日:日曜日、祝日

【野球コース】郷土愛がストレートに伝わる空間で飲む

開幕が待ち遠しいプロ野球。例年なら既に行われているはずの、スタンドでビールを飲みながらの応援はできなくても、ここでなら野球ファンの熱気を感じながらのはしご酒が叶うかもしれません。

〈野球コース1軒め〉8番地「HAKATA MEGUSTA」

⼈なつっこい接客が売りの角打ちと、スペインバルの要素が融合したスタイリッシュな立ち飲み店。博多で数店舗を展開する人気店の東京初進出となる店舗で、店内には「福岡ソフトバンクホークス」のユニフォームがしっかりかかっています。のみならず、一番奥には「西鉄ライオンズ」のユニフォームもあることから、連綿と続く地元福岡への郷土愛が伝わります。

ほとんどのつまみメニューが190円~500円前後という安さもウリ。なかでも「鯖スモーク」190円 は、どんなお酒とも相性が良く、訪れたお客さんのほとんどがオーダーする人気メニューです。

福岡県内の市名が書かれた札を持って席を移動することで会計が分かるシステムを採用するなど、コミュニケーションが⽣まれやすい⼯夫を凝らした同店。プロ野球が開幕したら、スマホで試合速報をチェックしつついろんな人と仲良くなって、狭い店内をあっちへ行ったりこっちへ行ったり、乾杯も盛り上がりそうです。

 

※価格はすべて税抜

 

〈野球コース2軒め〉1番地「熱々鉄板チェインズ」

広島風お好み焼きをはじめとする鉄板料理と店主の華麗な鉄板さばきが楽しめる「熱々鉄板チェインズ」。店内にはユニフォームなども飾られているし、スタッフのユニフォームも赤と、広島東洋カープ一色なお店なのです。

「カキの鉄板蒸籠蒸し(4粒)」

熱々の料理とお酒を飲んでからお好み焼きで〆る広島スタイルが同店のオススメとのことで、まずは広島といえばの一品「カキの鉄板蒸籠蒸し(4粒)」650円 。蓋を開けた瞬間、塩と昆布の香りが広がり食欲をそそり、蒸してもプリプリの牡蠣は絶品です。

「カープ缶チューハイ」

ドリンクは、球団公認の「カープ缶チューハイ」300円。店の空気とともに雰囲気を堪能するならこの一択! 味もキリリと辛口で、あとで食べるオタフクソースのかかったお好み焼きとも相性ピッタリ。

「広島焼き」(メニュー名まま)

〆にいただく「広島焼き」(メニュー名まま)700円。十分な大きさなので、何人かでシェアしてつまむのにも最適。重ね焼きのプロセス毎に異なる温度で焼いて、よりおいしく仕上げてくれます。

 

※価格はすべて税抜

 

 

地下鉄の最寄駅からアクセス至便な場所にできたのは、人と人とのふれあいと様々な食文化を楽しめ、気軽に立ち寄れるユニークなグルメスポット。一度と言わず、何度か通って、自分なりのお店の組み合わせによる“はしご酒パターン”を見つけるのが楽しみ方のひとつになりそうです。

 

「⽇ゞ⼩路(ひびこうじ)」施設概要
住所:東京都千代⽥区内幸町2-2-3 ⽇⽐⾕国際ビルB2「ヒビコクチカシタ内」
営業時間:月曜〜金曜 11:30〜14:00/17:00〜22:30、土曜11:30〜19:30 ※土曜のみ営業時間が異なる
定休⽇:⽇曜・祝日は休館

 

取材・文:舘野頼正