〈食通の昼メシ〉

日々新しいトレンドが生まれるグルメ業界。流行りのメニューを試すのも楽しいが、毎日食べたいのは昔ながらの定番メニューだったりする。業界きっての美食家「食べログ グルメ著名人」に、毎月、一番好きな定番昼メニューの名店を教えてもらう連載。今日のランチはこれで決まり!

教えてくれる人


小宮山雄飛
1973年東京生まれ原宿育ち。ホフディランのVo&Key。音楽界のグルメ番長。カレー好きとして知られ、著書に「カレー粉・スパイスではじめる 旨い! 家カレー」「簡単!ヘルシー!まいにちカレー」「今日もひとり酒場」などがある。2018年9月には日本初のレモンライス専門店「レモンライス東京」を渋谷にオープン。

今月のメニュー:「うどん」

寒い日が続いたと思ったら春のような暖かい日もある。こんな季節に食べるうどんはその日の陽気次第だ。冷え込んでいれば温かいかけや鍋焼き、ちょっと気温が高ければ冷やかけやぶっかけを選ぶ。温度のお次は麺の種類。コシのある讃岐もいいが、ツルッと上品な稲庭も捨てがたい。最近ではやわやわの博多系も人気急上昇。さらにお好みの具も選べるとあって、バリエーションは無限大。うどんはカスタマイズランチの王様なのだ。

小宮山雄飛、昼に最高の「うどん」

「根津 釜竹」の釜揚げうどん 850円/ざるうどん 900円(税抜)

写真:お店から

うどんのメニューは釜揚げとざる(太打ち・細打ち)の2つだけという極めてストイックなお店。しかしそのどちらも、シンプルだからこその研ぎ澄まされた旨さ。麺を噛み切る時にプツンと心地よい歯ごたえを感じる、パスタで言うところのアルデンテ状態の茹で加減が絶妙。釜揚げとざるで微妙に濃さの違うつゆも、麺のおいしさを最大限に引き出すようにできていて、うどんのおいしさを100%味わえるお店です。

 

※「食べログ」に掲載されている情報をもとに、料理名・金額を掲載しております。最新の情報はお店の方にご確認ください。

「うどん」のココが重要

一番好きな具

野沢菜
うどん店ではあまりポピュラーではない具材ですが、めちゃめちゃ合います。温かい汁系に入っていてもおいしいし、冷たい汁なしのぶっかけうどんに和えてもおいしい。富ヶ谷にある老舗「麺喜やしま」では必ず頼む定番の具材です。

こだわりの食べ方

ラーメンやそばと比べて、一本一本が太いうどんは、汁と一緒にとにかく豪快にすするのがおいしく食べるコツじゃないでしょうか。天ぷらなどの具は一緒に食べるというより、とにかく麺を口いっぱい頬張って、合間に具だけ味わい、また麺を思いっきり頬張る、という無限ループがうどんの醍醐味だと思います。

 

文:小宮山雄飛・食べログマガジン編集部