〈ニュースなランチ〉

毎日食べる「ランチ」にどれだけ情熱を注げるか。それが人生の幸福度を左右すると信じて疑わない、食べログマガジン編集部メンバーによるランチ連載。話題の新店から老舗まで、おすすめのデイリーランチをご紹介!

恵比寿にスパイス惣菜がやってきた

カレーブームが止まらない。ブームが一過性のものならば、もはやブームと言えないくらいまで日本の外食シーンにおけるカレーの存在感が大きくなっているのを日々感じる。

「ママダルマ」と名付けられダルマがモチーフのロゴ看板が目印  写真:お店から

そんな日本のカレー界に、大きなインパクトを与えそうな台風の目が2019年12月3日に恵比寿にオープンした「takeCURRY(テイクカリー)」だ。

恵比寿駅から白金高輪方向に向かう落ち着いたエリア

恵比寿と言えば、ここ数年でカレーの名店が増えている屈指のカレータウン。そんなカレーの激戦区に満を持して登場したtakeCURRYは、和の要素を盛り込んだスパイス惣菜が特徴。

店内に輝く「spice me up!」の文字  写真:お店から

「spice me up!」をキャッチコピーに、切り干し大根やひじき、金平ごぼうといった昔ながらの日本の惣菜に、クミンや山椒を加えて“華麗に”変身。そんな「スパイス惣菜」をワンプレートに数種類盛り付けて提供するスタイルが面白い。

大手惣菜店とスパイスのプロがタッグを組んだ

レセプション用のスペシャルな盛り合わせ

ビジュアル的にはスリランカカレーやインドネシアのナシチャンプルーに近いが、惣菜のベースの味付けに“和”があるので、味わいはどこか懐かしさを感じる。

 

takeCURRYが「スパイス惣菜」推しなのにはワケがある。実はこちら、全国で57店舗も展開する大手惣菜チェーン「お惣菜のまつおか」の新業態なのだ。「お惣菜のまつおか」と言えば伊勢丹新宿店や日本橋高島屋店などの一流百貨店にも出店する人気のお惣菜店。そんなお惣菜のプロが新たなチャレンジとして選んだのが、昔からある日本の惣菜をベースにした「スパイス惣菜」だった。

店内にはガラスジャーに入ったスパイスがずらり  写真:お店から

ここ数年、カレーの副菜をアテに飲む「スパイス飲み」がジワジワ来ており、「スパイス惣菜」の潜在ニーズはかなりありそうだ。しかも、メニュー監修にはスパイスの達人として知られるシャンカール・ノグチ氏を起用。

 

シャンカール・ノグチ氏監修ならば食べなくても、おいしいことが容易に想像できる。「惣菜×スパイスのプロ」というありそうで無かった組み合わせに、目の付け所がさすがとしか言いようがない。

毎回違う味! 混ぜて完成するセルフカレー

キーマプレート  写真:お店から

提供するプレートは「キーマプレート」「惣菜プレート」の2種類。キーマプレートにはキーマカレー1種に副菜3種、ごはん、味変スープ、サラダが付く。惣菜プレートはキーマカレーが魚や肉のメイン惣菜に変更になる。

惣菜プレート  写真:お店から

どちらもまずはそのまま味わい、途中でスープをかけて混ぜて食べる。

混ぜることでカレーが完成する  写真:お店から

「味変スープ」と言われるスープは2種類。カレーリーフ・ブラウンマスタード・フェネグリーク・レッドチリ・ブラックペッパー・ターメリックを配合したパンチのある辛みと酸味を利かせた「スパイシーラッサム」。または、コリアンダー・ブラウンマスタード・ターメリック・クミンシード・ヒング・チャットマサラを配合したほのかに香るスパイスと自然な甘みのやさしい「マイルド豆スープ」から選ぶことができる。

写真:お店から

スープを加えることによって、それぞれの惣菜のスパイスが混じり合い、カレーに昇華するというわけだ。

欲しい惣菜を目で見てオーダー可能

その日の惣菜からお好みの副菜やカレー、メイン惣菜、スープを選ぶセルフスタイルなので、毎日通っても違う味わいが楽しめる。

ランチタイムは「キーマプレート」「惣菜プレート」ともにドリンク付き1,200円(税込)で提供する。

オリジナルスパイスを販売予定

写真:お店から

うれしいことに、絶妙なスパイス惣菜の味わいの決め手となっている、シャンカール・ノグチ氏監修のオリジナルスパイスを店頭で購入することができるよう、販売に向けて準備中とのこと。

インドの2大マサラの一つで屋台のスパイスとも呼ばれているミックススパイス「チャットマサラ」や、ナッツの香ばしさがたまらない「黄金MIX」など自宅でのスパイス活動を底上げしてくれるマストバイアイテムだ。

食べたくなったらいつでもスパイス注入

営業時間は11:00〜22:00(L.O.21:00)と通し営業なので、ランチ、おやつ、ディナーと幅広く利用できる。

※12月中は14:00〜17:00の間CLOSE

カウンターにはUSBコンセントまであり、ノマドワーカーにもうれしい。

ビールはよなよなエール、ワインはグレープリパブリックという酒飲みを痺れさせるラインアップも素晴らしく、日々のスパイス補給にもってこいだ。

スパイス惣菜が全国を席巻?

ここ恵比寿店を一号店に据え、今後、他エリアへの展開も視野に入れているというtakeCURRY。「ポンガラカレー」「エリックサウス」など高いレベルで複数店舗展開するカレー店が増えるのは、カレー好きにとってうれしい限り。日本発信のニュースタイルカレーとして、全国の至る所でtakeCURRYが食べられる日が来れば、日本のカレーが底上げされるのでは、と期待してしまう。

 

 

撮影・文:食べログマガジン編集部