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【最旬ヘルシーアドレス】
vol.5 東京・銀座「アインソフ ギンザ」
東京のビーガンレストランの草分け的存在である「AIN SOPH(アインソフ)」。その第1号店である銀座店が、2年の時を経て、昨年リニューアルオープン。和の要素をセンスよくとりいれた設えとメニューで、日本人はもちろん、海外の観光客からも支持を集めている。
日本料理店のような暖簾をくぐると、店内は和モダンな雰囲気。大きくあしらわれた窓からは陽光が差しこみ、あたたかみを添える。銀座の中心地とは思えない、朗らかであたたかい雰囲気。
オーナーの趣味であるアンティークの家具が品を添える
ビーガン(完全菜食)とは、肉、魚、乳製品、卵など動物性たんぱく質を使っていない料理のこと。ゆえに、野菜ばかりで満足感が足りないといったイメージがあるが、アインソフのビーガンメニューは、見た目の美しさはもちろん、味つけや食感にも工夫されている。ビーガンでない人もリピートするというのも納得だ。
昼限定!歌舞伎を意識した、ビーガンBENTO
今回のリニューアルで、メニューも刷新。以前は洋食メインだったが、和の要素を意識的にとりいれた。和食は一見ヘルシーだが、ダシなど動物性のものを使うことも多い。そこで、日本らしいメニューとして、ビーガン&低グルテンフリーの、BENTOが登場。
ランチ限定【福禄寿BENTO】3,150円
銀座という立地らしいものをと、歌舞伎で使われている色みを意識した色彩豊かでヘルシーな“BENTO”がこちら。まずは、木箱に敷き詰められた季節の野菜に、日替わりのデリメニュー、きのこのマリネを添えて。野菜は、各農家よりその日に届いたフレッシュなものから吟味されたもの。味噌と胡桃で作られたコクたっぷりのバーニャカウダーソース、またはグルテンフリーの自家製オニオンドレッシングで召し上がれ。
写真左の木箱に見えるのは、3種の総菜。左より、豆腐で作ったスパニッシュオムレツ、グルテンフリーの醤油を使い米粉の衣で仕上げたベジミート(大豆)の唐揚げ、野菜でとろみをつけたほうれん草と小松菜のグリーンカレー。
こちらに、トマトスープ、山形県産の無農薬の玄米がつく。
トマトスープは、アインソフがオープンした当時からある看板メニュー。使う野菜は、にんじんとキャベツにタマネギ、トマトといったスタンダードなもの。野菜の旨みと甘み、トマトの酸味とのバランスが絶妙なあとひくおいしさ。動物性食材はゼロとは思えない、くせになる旨みがある。ほどよいとろみとゴロゴロ具材で、まさに“食べるスープ”。
イートインでもテイクアウトでも。グルテンフリーの自家製プリン
プリン 650円、ドリンクとセットで1,450円(税別)
※ドリンクは、写真の抹茶を含む、対象メニューより選択
リニューアルを機に、1階にパティスリーを併設。そちらで大人気なのが、グルテンフリーのビーガンプリン。プリンは、有機豆乳とカシューナッツをベースに、国産のくず粉で固めたもの。自家製のカラメルソースの苦みとあいまって優しい口当たりながら、なんと120キロカロリー。
このプリンを銀座店では抹茶とセットでいただける。茶碗はオーナーが集めた一点もの。ゆとりがあれば、4階にある茶室でしっとりとお茶を味わう時間を満喫するのもおすすめ。なお、プリンはひとつひとつすべてが手作りのため、すぐに売り切れてしまうそう。確実に手にいれるなら予約がベスト。
豆乳ベースで作られた、大人のためのレーズンサンド
レーズンサンド5枚 1,500円
アインソフのヘルシースイーツで、もうひとつ忘れてはならないのが、レーズンサンド。乳製品を使わず豆乳ベースのクリームに有機の国産レーズンをたっぷり。少し大きめのサイズがうれしい。生地は国産の小麦粉、てんさい糖を使ったほどよい甘さ。ワインにもよく合うと、大人の女性を中心に人気だとか。これから増えるホームパーティシーズンにむけて、ヘルシーな手土産スイーツとしても大活躍!
夜は、オーガニックワインとともに
今後は、料理もスイーツも、季節感を取り入れたメニューを考案していきたいというアインソフ銀座店。今回は、ランチとカフェメニューの紹介だが、夜のディナーコースも人気だとか。オーガニックワイン、アラカルトのメニューも充実しているので、シーンや気分に合わせて足繁く通いたい。
取材・文:吉村セイラ
撮影:安彦幸枝