〈食べログ3.5以下のうまい店〉
巷では「おいしい店は食べログ3.5以上」なんて噂がまことしやかに流れているようだが、ちょっと待ったー!
食べログ3.5以上の店は全体の3%。つまり97%は3.5以下だ。
食べログでは口コミを独自の方法で集計して採点されるため、口コミ数が少なかったり、新しくオープンしたお店だったりすると「本当はおいしいのに点数は3.5に満たない」ことが十分あり得るのだ。
点数が上がってしまうと予約が取りにくくなることもあるので、むしろ食通こそ「3.5以下のうまい店」に注目し、今のうちにと楽しんでいるらしい。
そこで、グルメなあの人にお願いして、本当は教えたくない、とっておきの「3.5以下のうまい店」を紹介する本企画。今回は、グルメジャーナリストの東龍さんが感激した、伝統と革新が共存する注目の中国料理店を教えてもらった。
教えてくれる人
東龍
1976年台湾生まれ。テレビ東京「TVチャンピオン」で2002年と2007年に優勝。ブッフェ、フレンチ、鉄板焼、ホテルグルメ、スイーツをこよなく愛する。炎上事件から美食やトレンド、食のあり方、飲食店の課題まで、独自の切り口で分かりやすい記事を執筆。料理コンクール審査員、講演、プロデュースも多数。 2017年8月「一般社団法人 日本ブッフェ協会」設立、代表理事就任。
ホテル通たちが虜になる「中国料理 桃李」
ホテルグルメに詳しい東龍さんが教えてくれたのは、グランドニッコー東京 台場の館内にある「中国料理 桃李」。
「ホテル通の方から特に中国料理の評判が高いということをお聞きしました。実際に取材に行き、そのおいしさに感激し、オススメしたいと思いました」と、その良さを語ってくれた。
食べログの口コミはまだ数件と少なく、点数は3.07だが、一体どんな店なのだろうか?
※点数は2021年12月時点のものです。
新交通ゆりかもめ台場駅に直結しているグランドニッコー東京 台場は、2016年7月にニッコー・ホテルズ・インターナショナルの最上級ブランド「グランドニッコー」を冠する国内第一号ホテルとしてオープン。
見晴らしの良いベイエリアの景観を望むこのホテルの2階にある「中国料理 桃李」は、2020年3月に「広東料理 台場 楼蘭(ロウラン)」からリニューアルし生まれ変わったレストランだ。
「庭に佇む中国風邸宅」をコンセプトに、モダンとトラディショナルが調和したデザインの店内では、伝統と革新の双方を表現した中国料理の数々が振る舞われる。
厨房を取りまとめている料理長の沖山邦久さんは、閉店してしまった名店「銀座 楼蘭」やリニューアル前の「広東料理 台場 楼蘭」で広東料理を究めてきた経歴の持ち主。
伝統的な広東料理はもちろん、真っ黒な海老チリなど他では出合えない独創的なメニュー作りも得意としている。
革新的な料理の多くは季節のディナーコースでお目にかかれる。たとえば9月・10月は「中華の食材と西洋チーズのコラボレーション」をテーマにした特別コースが登場。中国料理の枠にとらわれないチャレンジングな食材の組み合わせは、館内の他レストランからも注目されるほどだとか!
カジュアルに桃李の料理を楽しみたいなら、中国料理定番のチャーハンや焼きそば、タンタンメンといった麺・飯類がおすすめ。
ホテルの中国料理というと、コースで頼まなければならないという気がしてしまうが、“ふらりとランチに来てチャーハンだけ頼む”というような使い方もぜひしてほしいとのこと。格式高い料理ばかりでなく、こうした気軽な楽しみ方ができるのもまた魅力だ。