〈食通が占う、2021流行る店〉
新型コロナウイルスの流行により、飲食店にとっては大きな危機が訪れた2020年が終わりました。油断のできない状況は続きますが、各店が工夫を凝らし、おいしいものを届けようと努力しています。
そこで、グルメ情報を熟知した有識者に、2021年期待したいお店や料理についてアンケートを実施。
今回は、連載「森脇慶子のココに注目」でお馴染みのフードライターであり、食べログ グルメ著名人でもある森脇慶子さんに、今年注目の「ブレイクしそうな店」をお答えいただきます。
教えてくれる人
森脇 慶子
「dancyu」や女性誌などで広く活躍する料理ライター。毎日、取材はもちろん、プライベートでもひたすら食べ歩き、特に夏の鮎食いは伝説と化しているほど有名。フカヒレをはじめとしたコラーゲンものも語らせると尽きない。最近は、血の濃い味にもうえている傾向あり。著書に「東京最高のレストラン(共著)」(ぴあ)、「行列レストランのまかないレシピ」(ぴあ)ほか。
2021年ブレイクしそうな飲食店
Q. 2021年にブレイクしそうな飲食店は、ずばりどこですか?
A. 「桃仙閣 東京」です
ここ数年、話題を呼んでいたのは、フレンチを彷彿とさせるモダンチャイニーズ。だが、そんな中にあって、最近じわじわと人気を集めているのが町中華だろう。海老チリ、酢豚、麻婆豆腐など誰もが知っている定番メニューを、手軽に単品でも食べられる。そんな町中華ならではの気さくさを持ちながら、従来のそれに比べ、味わいも軽く、より丁寧に作る“ネオ町中華”がこれからの潮流になりそうだ。
そして、それを象徴するような一軒がこの「桃仙閣」。メニューに並ぶ料理は、いずれもわかりやすい町中華そのもの。素材自体も特別なものは使わない代わりに、手間ひまだけは充分にかける。タレひとつにしても作り置きをせず、注文の都度調味料を混ぜ、薬味と合わせるなどすべての料理に細やかな心遣いが光る。こうした何気ない当たり前のおいしさが、来年ブレイクしそうな気がするのだ。