〈企業のランチ王〉

人気企業のグルメたちは、どこで何を食べている?
ビジネスパーソンにとって、今やただの食事ではなく、様々な役割を担うランチタイム。一日の英気を養うためだけでなく、接待や打ち合わせなどビジネスをスムーズに運ぶためのツールとしても有効だ。ビジネスエリアのランチスポットを、同エリアにある人気企業の“ランチ王”にインタビュー。わざわざ訪れたくなる名店をシーン別&使い方別にナビゲートする。

Vol.2 東宝 小宮良介さん・伊藤圭祐さんの有楽町〜新橋ランチ

お仕事プロファイル

左から/小宮良介さん、伊藤圭祐さん
東宝株式会社・映像本部・宣伝部で同期のお二人。小宮良介さん(パブリシティ室電波パブグループ)/11月1日公開の映画「マチネの終わりに」担当。テレビやラジオなど電波媒体のパブリシティやイベントの仕込みに携わる。1人で新規ランチを開拓してから、気に入った店だけを同僚に紹介するランチ王。伊藤圭祐さん(メディアプロモーション室)/すでに大ヒット公開中の映画「かぐや様は告らせたい ~ 天才たちの恋愛頭脳戦~」担当。雑誌やWEB上での映画宣伝を行う。イベント時に発注するお弁当がルーティンに陥らないよう、常にイートイン先で新規開拓を心がけ、ランチ王として職場から厚い信頼を得ている。

小宮さんのハレの日の有楽町〜新橋ランチ2選

有楽町にある東宝株式会社のまわりには、ランチだけで数回転する人気店も多い。「平日はそういったお店に出向くこともありますが、ハレの日に選びたいのは席を回転させない、落ち着いたお店になりますね」と小宮さん。個室というチョイスもありつつ、店全体が静かな雰囲気に包まれているというポイントは欠かせないとか。また、日頃から中華やエスニックのピリ辛系や揚げ物が好きとあって、ハレの日はその贅沢バージョンの行きつけを推薦。そして「プライベートで行く休日のハレの日ランチなら5,000円くらい出しますが、平日はMAX2,500円くらいがちょうどいい」と、平日ならではのコスパの高い2軒を挙げてくれた。

「ピリ辛な唐辛子系、シビれる山椒系と、そのときの気分の辛さを求めて、お店を選んでいます」

ハレの日ランチ①「テクストゥーラ」の平日 Lunch Plate(中華御膳)

出典:歌手ではありませんさん
 

小宮さんの推奨ポイント

最初は取引先に紹介されて夜に来たのがきっかけ。内装もおしゃれだし、中華とスペイン料理が交互に出てくる8,000円のコースがあまりに素晴らしく、会社から歩いて100mの場所に、こんなお店ができたんだと感動して、昼も通うようになりました。ランチは中華とスパニッシュから好きなものを組み合わせて選ぶスタイルで、僕はいつもオール中華のチョイス。麻婆豆腐をメインに、名物である四川のよだれ鶏や、そのピリ辛ダレにつけて食べる山椒麺、もち豚焼売など、大満足の内容ですよ。

編集部のおすすめポイント

2019年春にオープンした、中華&スペイン料理を新しいスタイルで出す注目の一軒。手がけるのは築地「東京チャイニーズ一凛」、鎌倉「イチリンハナレ」でモダンチャイニーズを提供する齋藤宏文シェフだ。スパニッシュのランチは海老のアヒージョとパンを中心に、ガスパチョ、サラダ、トルティージャなどをラインアップ。窓から「ザ・ペニンシュラ 東京」を眺めながら、ちょっと優雅なひとときを過ごすことができる。

ハレの日ランチ②「銀座 佐藤養助」のうどんランチ

出典:毎日外食グルメ豚さん
 

小宮さんの推奨ポイント

元々、うどんが大好きで、わざわざ、讃岐に行って食べ歩きをしたくらい。「銀座 佐藤養助」は秋田の稲庭うどんの専門店ですが、個人的には有楽町界隈で、一番おいしいうどんを出していると思っています。讃岐とはまた違う、細くてツルッとした麺が最高なんですよね。色白でツヤがある肌合いも美しい! いつも頼むものは決まっていて、醤油つゆと胡麻味噌つゆ、2種類のつゆで食べる「二味せいろ」なんですが、ハレの日にはさらに天ぷらがつく「二味天せいろ」で贅沢します。

編集部のおすすめポイント

万延元年(1860年)創業、秋田のうどんブランドによる、うどんダイニング。主役はもちろん、熟練の職人が3日間かけ、手作業でつくる喉越しよく、たおやかなコシのある麺だ。夜は、きりたんぽ鍋や比内地鶏など、秋田名物を盛り込んだコースもおすすめ。ランチではオーソドックスなせいろのほか、比内地鶏を使用したタイ風のグリーンカレーやレッドカレーのつけ麺も楽しめる。

伊藤さんのハレの日の有楽町〜新橋ランチ2選

取引先とのビジネスランチでも、かしこまった席をもつことが少ないという伊藤さん。「相手にもよりますが、接待や打ち合わせのようなハレの日ランチでも基本的には、ちょっとガヤガヤしているお店の方が使いやすいんです」。静かすぎず、ほどよくカジュアル、そしてなにより食事がとびっきりおいしいことが条件だとか。「だって、おいしいと、頑張らなくても話が弾むじゃないですか」。確かに、ひとの気持ちを開いてくれる「おいしい」はビジネスの場でも正義。指定の席も、あえて個室ではなくカウンター推し。目の前で繰り広げられる職人技を堪能する、エンタメ性に軍配を上げる。

ハレの日ランチ①「とんかつ檍 銀座店」のひれかつ定食

出典:Akio Iさん
 

伊藤さんの推奨ポイント

とんかつの名店として、国内外からの観光客も訪れるため、行列必至の一軒です。ただ、時間をずらせば入りやすいので13時過ぎくらいに行くようにしています。世の中はロース派が多いと思いますが、僕はいつも「ひれかつ定食(170g)」。半分塩、半分ソースでいただきます。白いご飯もおいしいですし、テイクアウト可ということで、イベント時のお弁当でも利用させていただいています。

編集部のおすすめポイント

蒲田に本店がある大人気のとんかつ店が2018年、銀座に進出。旨みたっぷり無菌状態の母豚のお腹で育った林SPF豚を厚切りし、レアに火を入れたとんかつはロースも美味。卓上に醤油やソースもあるものの、ここでは塩で食すのがおすすめ。ヒマラヤとアンデス、モンゴルの岩塩、沖縄の海水塩など、数種の塩を食べ比べるのもおもしろい。豚の甘い脂とニュアンスのある塩の相性は抜群だ。

ハレの日ランチ②「コルザ」のステーキランチ

写真:お店から
 

伊藤さんの推奨ポイント

ここはボーナスが入ったら行く、とっておきのお店です。最初は先輩に連れてきてもらいました。いかにもご馳走が出てきそうなゴージャスな雰囲気で、昼でも目の前の鉄板でシェフがお肉を焼いてくれるというのが最高に贅沢なんです。お肉は高級な黒毛和牛もありますが、価格が安めのオーストラリア牛のフィレでも味があって、やわらかく、十分満足できます。コースだとワイン、ジュース、ウーロン茶から好きなもの1品をお代わりできるのもうれしいですね。

編集部のおすすめポイント
オーセンティックなステーキハウス。キッコーマンの直営店ならでは、肉の旨みを醤油で引き出すことをモットーにしているのがユニークだ。鉄板焼きには搾りたて生醤油を添えて。熟成もろみをつけて香ばしく焼き上げる網焼きも人気。また、アワビやハマグリ、伊勢海老など海鮮の鉄板焼きやオニオングラタンスープやフォアグラのソテーなど、洋食メニューも。個室もあり、接待にも最適。

クイック&デリシャスな、デイリーランチ2選

常に中華やタイ料理やインド料理など、エスニック系の本場に近いピリ辛ランチを求めているという小宮さん。学生時代からガイドブックを頼りにラーメンなどの食べ歩きをし、社会人になってからは気に入った店をデータ登録するほど、麺が好きという伊藤さん。それぞれのマイ・ベスト・デイリーランチとは?

小宮さんのデイリーランチ 「SIAM 有楽町店」のカオマンガイ

出典:Lady hanaさん
 

小宮さんの推奨ポイント

スタッフの方もタイ人というタイ濃度の高いお店で、本場度満点! ここのカオマンガイは生姜が結構利いていて、学生時代にダイビングのライセンスを取りに訪れたタイで一番おいしかったものに、すごく近いんです。雑にソースをぶっかけて、むさぼるようにかき込むのが、お気に入りの食べ方。刺激的な味の後、デザートのタピオカミルクの甘みでバランスを取る感じです。

伊藤さんのデイリーランチ 「自家製さぬきうどんと肉 新橋甚三」の牛肉うどん温(中盛)

出典:tomot788さん
 

伊藤さんの推奨ポイント

ここがオープンするまでは、わざわざ土曜日に浜松町店まで行ってたんです。休日でも行く価値がありますから。メニューはいろいろ試して、どれも非常においしいんですが、僕のベストは「牛肉うどん温(中盛)」。弾力のある麺、しっかり旨みのある出汁に、たっぷりの牛肉というバランスが絶妙。普通うどんには一味や七味だと思うんですが、なぜかブラックペッパーが合います。

CHECK!

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取材・文:寺尾妙子
写真:kobayashiworld