出世ごはん

デキるビジネスパーソンはこんなお店で食べている！元銀座のホステス＆開運アドバイザーの藤島佑雪が、かつての同伴その他の経験から見極めた「出世する店」を「おいしい理由」とともにご紹介！

No.35 挨拶を制する者がビジネスを制す

新しい方と出会う機会が多くなる春先は、第一印象を左右するご挨拶に力を入れていきたいものです。

いえ、どこか一等地の大地主で「ぜひ、貸してください」と、常に向こうからお願いされるようなご商売をされているのであれば、そんなに頑張らなくてもいいんですよ。でも、こちらからお願いしないといけない立場で仕事をしていくのであれば、挨拶に力を振り絞った方が絶対にお得！

現にイケてる会社の社員さんって、みなさん、さすがのご挨拶ぶりですもんね。「こんにちは！」と声をかけられただけで、自分の濁ったオーラが洗われるような清々しさがありますから。レストランでもいいお店は、やっぱりご挨拶上手。明るい表情と明確な発音で、はっきりと、が基本ですが、でかい声を出せばいいというものでもありません。料亭や高級フレンチなどではしっとり落ち着きのあるトーンが好まれますし、クラブなど夜の接客対応店ではまた別の要素も求められますから。それはそれで上級編として、いつか別の機会にお話しするとして、今回は初級編「大きな声で気合と元気をお届け」についてです。

では早速、勢いのある挨拶で成功したといっても過言ではないんじゃないかと、わたくしが密かに感じる3軒をご紹介。

1. 「鳥おか」

日本一、予約が取れない焼鳥店と言われる目黒『鳥しき』分店。本店よりは、予約が取りやすいのも嬉しい。とびっきり美味な焼鳥は、威勢のいい受け答えからも伝わってくる職人さんの気合から生まれます！写真：お店から

今、日本一予約が取れない焼鳥店と言われる「鳥しき」グループ。六本木ヒルズにできた分店「鳥おか」さんでも気迫の「いらっしゃいませ！」の声を浴びると、しっかりした社員教育が行き渡ってるなぁと本当に感心するんですね。これだけご挨拶がすばらしいと、焼鳥も同じくらいすばらしいんだろうなと思いますし、また、実際そうですし、トップの統率力が接客から調理に至る、隅々まで届いていることが実感できます。

出典：みるみんくさん

2. 「海味」

写真：お店から

青山にある寿司の名店「海味」もそう。予約の電話を入れると「海味でございます!!」。これ以上は出せないという力一杯の名乗りを上げてくださる。ただ、それだけで感動しますよね。そして記憶に残る。ご主人じゃなく、お弟子さんが出られるときもあるじゃないですか。まだ、技術的には未熟かもしれないけれど、それでも自分にできる挨拶くらいは全力を尽くす！そんな思いが、こちらに伝わってくるんですよ。もし何か失敗したとしても、手を抜いて失敗したんじゃなく、全力でやって失敗したならしょうがないね、と速攻で許されるような、それくらいのレベルに達したご挨拶の名店でもあります。創業者が亡くなられて、代が替わってからも、渾身のご挨拶が受け継がれていることに胸を打たれます。

挨拶と同様、活きのいいネタをそのままで、マグロのように寝かせて旨みを引き出して。ふんわり人肌のシャリで握るお寿司がゲストを魅了します。写真：お店より

3. 「蒙古タンメン中本上板橋本店」

威勢のいい挨拶＆辛みをウリに今や新宿、渋谷をはじめ、関東で21店を構える一大ラーメングループに成長。5月には錦糸町店もオープンするとか。出典：絶対味覚の持ち主！さん

そして激辛で名を馳せる「蒙古タンメン中本上板橋本店」。こちらを目指す多くのひとは、通常10段階、たまに期間限定で12段階に設定された辛さレベルのラーメンに挑みに来ているんですね。でも、よーし、今日は極限まで挑戦しよう！と意気込みつつも、あ、でも、やっぱり「辛さ度3」の「味噌タンメン」にしようか、などと逡巡するわたくしのようなヘタレゲストもいるわけですよ。そこに威勢のいい「いらっしゃいませぇっ！」がきたら、ちょっと応援されたような気になって、闘魂に火がついて辛さ度10を完食できたりする。ここ、激辛の戦場ですから。そんな闘いの場を鼓舞する役目を担っているのが、ご挨拶なんです。それって職場でも有効ですよね！そりゃ20店以上ものグループに成長しますわね。その他グループ店でも本店仕込みのご挨拶は健在ですので、ぜひ体感してください。