定食王が今日も行く!Vol.65

ひとりだからこそ贅沢に!A5和牛のすき焼き定食の天国“竜ギュウ城”へ

海外観光客も訪れる

西巣鴨、路地裏の名店

 

東京にいても、なかなか訪れないエリアがあり、そこにも名店がたくさんある。定食メニューは平日しか提供していないお店も多いため、仕事などで訪れない限りなかなか出会えない極上の定食がある。そのひとつが西巣鴨にある「しゃぶ辰」のランチ定食だ。この店は『孤独のグルメ』にも取り上げられたことがある有名店だ。

三田線の西巣鴨駅からすぐの路地裏にある当店は、東京五輪が開催された昭和39年創業の精肉問屋が経営するしゃぶしゃぶの専門店だ。平日の昼でも近所のサラリーマン、看護師、はたまた海外観光客で賑わいを見せている。メニューも英語、中国語に対応しており、その人気のほどがうかがえる。

店内に入ると王貞治元監督や斎藤佑樹投手、大矢明彦元監督など、野球選手の写真が飾られている。どうやらご主人が早稲田実業の野球部出身で、野球つながりの関係者が訪れることでも有名なようだ。

店内は2フロアになっており、一階は一つずつ鍋が食べられるU字形のカウンターになっている。一人鍋なのは一階だけなので、しゃぶしゃぶか、すき焼きか、牛か豚、鶏かを喧嘩せずに、思う存分、好きな肉を担当することができるのだ。これがこのお店の一番贅沢な部分だ。

U字カウンターの湯気と

とろける上州牛で極楽気分

 

店名の通り、しゃぶしゃぶの専門店ではあるが、ランチメニューには特製のビーフカレーや牛バラの角煮、鶏しゃぶもある。どれも人気メニューだが、この店が『孤独のグルメ』に登場して以来、看板になりつつあるのはすき焼き定食だ。

国産牛ロースのすき焼きであれば、なんと1,000円で食べられる。ひとりだからこそ、ちょっと贅沢な2,500円の「上州牛すき焼き定食」を選びたい。

美しい霜降りのA5の上州牛約120gが鍋の中をひらひらと舞う。

白菜、春菊、玉ねぎ、長ねぎ、しいたけ、豆腐、しらたきが登場し、すき焼きオールスターズが割り下の中で躍り出す。

U字のカウンターから舞い上がる湯気に囲まれると、まるでそこは天国か、竜宮城、いや“竜ギュウ城”かという錯覚に陥る。黄金色の卵から出現した上州牛は、口に入れると、とろけるほど滑らかな舌触り。一人で天に舞い上がる、極上エクスペリエンスだ。

締めはうどん、豚汁にコーヒー

昼からひとり宴会で極楽気分!

 

すき焼きの締めはうどん。濃厚な割り下で煮込まれたうどんはご飯を食べた後でも箸が進む。

そしてジューシーすぎるゴボウの豚汁も肉の旨みが溢れる贅沢な一杯だ。最後には、食後のコーヒーがサービスでついてくる。もはやひとりコース、ひとり宴会状態だ。「国産牛ロースすき焼き・しゃぶしゃぶ定食」は同じボリュームで1,000円だが、予算が許せば是非「上州牛すき焼き・しゃぶしゃぶ定食」を試してほしい。

 

そろそろ自分にご褒美が必要と思ったら、西巣鴨の極楽“竜ギュウ城”へ。しゃぶしゃぶとすき焼きの湯気が立ち込める中で、ひとり宴会を楽しんでみては?

 

※価格は税込