油も塩気もしっかり利かせた本場の味が他にも

肉好きも大満足の“焼肉系”タコス「コルデロ(ラム肉)」

「コルデロ(ラム肉)のタコス」2ピース780円

当初季節限定メニューとして登場したものの、肉肉しい味わいで人気が高く、8月末からレギュラーメニュー入りした「コルデロ(ラム肉)」。
ラム肉の中でもうまみが濃厚な骨に近い中落ちを使用し、まず蒸し焼きにしてふんわりと火を入れてから、こんがり香ばしく焼き上げる。シャキシャキ玉ねぎとシラントロ(パクチー)を添え、最後に一振りする塩とチリパウダーやスモークパプリカ、数種の唐辛子の粉などをミックスしたオリジナルスパイスがアクセントに。

刻んだシラントロの香りを加えることで、ラムのうまみがさらに際立つ
 

吉川さん

ラムをグリルした香りとスパイシーさがコーントルティーヤに合います。

トロトロ食感にハマる!「カルニタス

「カルニタス」2ピース680円

「スアデロ」とともに上位人気となっているのが「カルニタス」。
皮付きの豚バラ肉をラードやスパイスとともに揚げ煮してあり、コラーゲンたっぷりのトロトロ食感が特徴だ。そこにシャキシャキ玉ねぎとシラントロが添えてあることで、肉の脂も重く感じることなく、2ピースはあっという間にお腹に収まるはず。

酸味のベルデと辛みのマチャ、2種のサルサを合わせがけして風味豊かな味わいに。ナッツやにんにくなどを使用した食べるラー油風のマチャは、しっかり焦がしたものと軽く焦がしたものをミックスすることで香りと食感を残すオリジナルのアレンジを加えている
 

吉川さん

こちらも王道の豚肉のタコスですが、やはり自家製サルサがタコスのおいしさと楽しさを演出します。

タコス前に! さっぱりしつつうまみは濃厚な「セビーチェ」

「本日のセビーチェ(この日は真鯛)」880円。メキシコカラーの配色も鮮やか

「セビーチェ」とは、南米ペルーが発祥とされ、メキシコでも広く親しまれている魚介のマリネ。メキシカンセビーチェにはピコ・デ・ガヨ(トマト、玉ねぎ、青唐辛子、パクチーなどの生野菜を使うフレッシュなサルサ。別名サルサ・メヒカーナ)を使用するが、同店ではピコ・デ・ガヨも、こだわりの自家製。
「塩を薄めにしてフレッシュな野菜の味にするピコ・デ・ガヨが一般的ですが、うちではしっかり塩気を利かせることでうまみを引き出しています。染み出した汁はまるで昆布出汁のような濃厚なうまみを感じられますよ」(大槻さん)
こうした手法はイタリアンの経験を活かしているのだとか。

子どもでも食べられるよう、ハラペーニョの代わりにピーマンを使用して辛みは抜いてある

さらに、本来は漬け込む料理だが、こちらではあえて漬け込まず、提供直前にその日入荷している魚介とピコ・デ・ガヨ、オリーブオイルやオリジナルスパイスを合わせている。
漬け込むことで出る魚介のうまみのかわりに野菜のうまみが染み出したピコ・デ・ガヨの汁をたっぷりと使うことで、魚介のドリップによる臭みを防ぎ、よりフレッシュ感のある味わいに仕上げているという。

シャキシャキ野菜とプリプリ魚介、ライムの酸味も加わったうまみたっぷり汁のハーモニーが絶妙!
 

吉川さん

さっぱりライムの利いたセビーチェで、魚介類はその時々で入るものが変わるそうです。タコスの前にまずはセビーチェからがおすすめ!

店名「TACOS DEL BARRIO」の意味は「近所のタコス屋」。近所で気取らずメキシカンタコスが食べられる店をイメージして付けたそう

老若男女が気軽に立ち寄れて、自由に本場のメキシカンタコスを楽しめる「タコス・デル・バリオ」。
メキシコの定番タコス以外にも、高知のカツオなど、日本各地の素材をのせたオリジナルタコスも月替わりで提供している。
「本場メキシコの味を追求するだけでなく、日本でもその土地土地のタコスができていけば、日本でもタコスが文化として根付くかなと思い、郷土料理をヒントにしながら試しています。定番から変わり種まで楽しめますので、ぜひ気軽に食べにきてください」(大槻さん)
タコス初心者もタコス通も、まずは自分好みの“サルサコンボ”を探しに、足を運んでみて。

※価格はすべて税込

教えてくれた人

吉川孝一郎
タコスナビゲーター、トルティーヤ研究家。タコスとメキシコ料理を広める人。中華料理店の息子で2児の父。「タコスメルカド」の店長として自身のお店を経営する傍ら「マツコの知らない世界」「満天☆青空レストラン」「秋元康 いいこと、聴いた」などメディアへの出演も多岐にわたる。

文:當間優子、食べログマガジン編集部 撮影:ジェイムス・オザワ