〈New Open News〉

毎日、たくさんの新しいお店が登録されている「食べログ」。そんな「食べログ」のデータベースの中でも、オープン早々、高い評価の口コミがあったり、多くの「保存」をされたりしている『注目のお店』を食いしん坊ライターが紹介します。早くもお店に訪問した食べログレビュアーのコメントも掲載!

かず斗 田舎のうつわ(東京・東新宿)

塩麹煮卵 雲丹 いくら 写真:お店から

2025年10月、東新宿駅から徒歩4分ほどの場所に、南魚沼の米や旬の食材を楽しめる和食店「かず斗 田舎のうつわ」がオープンしました。

店主 かずとさん 写真:お店から

店主のかずとさんは、南魚沼の米農家の家庭に生まれ育ち、18歳で料理の道へ。東京で12年、和食を中心に6社12店舗で経験を積み、2017年に調理師免許を取得しました。恋愛リアリティ番組に出演したことで人気に火がつき、Instagramのフォロワーは43万人超。魚料理を得意とし、料理を通じて「産地と人をつなぐ」ことをライフワークに掲げています。生まれ故郷で育った食材や、実家で育てられたお米を東京で届けたいという純粋な思いが、この店の原点。土鍋から立ち上る湯気、新米のやさしい甘み。口にした瞬間、遠い田舎の空気がふっとよみがえるような、素朴であたたかな時間を過ごせる場所を目指しているそうです。

落ち着きのある外観 写真:お店から

出店場所に選んだのは、東新宿。大きな繁華街の喧騒から少し離れ、ゆったり料理と向き合えるエリアです。「わざわざ足を運んでくれる人のための店にしたい」という店主の思いと、この街の落ち着きが合致したのだそう。内装は “都会の中にある、やさしい田舎” がテーマ。温かみのある土壁、店主の故郷・新潟の和紙を使った暖簾や障子が、柔らかい空気を生み出しています。テーブルは無垢の一枚板を使用し、間接照明が手元をふんわり照らします。余分な装飾をそぎ落とした空間は、料理の香りや温度にそっと寄り添い、食材と向き合うための舞台のよう。客席は全22席です。

もち豚 神楽南蛮 焼売 写真:お店から

「おまかせコース」8,500円は、季節ごとに構成が変わり、生産者の思いと旬の恵みを一皿一皿に閉じ込めた全12品。どの料理も、最後に待つ南魚沼産コシヒカリの土鍋ご飯へ自然に流れるよう組み立てられています。「もち豚 神楽南蛮 焼売」は新潟のもち豚に、自家製の神楽南蛮味噌を合わせた一品。旨みと辛みのバランスが絶妙です。

越後牛 メンチカツ 写真:お店から

「越後牛 メンチカツ」はれんこんとキャベツをたっぷり加えた、サクッと軽やかでジューシーな味わい。

季節のグラタン 写真:お店から

「季節のグラタン」は店主の実家の米粉を使い、小麦粉と牛乳を使わずに仕上げる、濃厚でクリーミーな逸品。優しい甘さの奥に、しっかりと素材の力が感じられます。すべてが“イチオシのメニュー”と呼ぶにふさわしい、丁寧で温度のある料理ばかり。

土鍋ご飯 写真:お店から

そしてコースの締めは、南魚沼産コシヒカリの「土鍋ご飯」。精米後真空で直送し、魚沼の水を取り寄せて炊き上げています。蓋を開ければ、立ち上る湯気とともに広がる香り。一口食べれば、自然と「おいしい」と声がもれる、感動の逸品です。

各席には、農家、漁師、酒蔵など、この店を支える生産者の情報をまとめた冊子が置かれています。「料理が成り立つのは、食材を届けてくださる方々のおかげです」と語る店主。その思いが形になった、静かで温かい取り組みです。どんな人が、どんな土地で、どんな思いで食材を育てているのか。背景を知ることで、一皿一皿の味わいがより深く、心に残るものへと変わっていきます。

営業は完全予約制で、時間は17時からと20時からの2部制。静かに、じっくりと料理と向き合うためのスタイルです。土鍋ご飯の湯気の向こうに、生産者の顔がふと浮かぶ。そんな、どこか懐かしくて温かい時間を届けてくれる「かず斗 田舎のうつわ」。都会の真ん中で、田舎のやさしさを感じられる新店です。

食べログレビュアーのコメント

booseyy1224
新潟・笠原農園のお米   出典:booseyy1224さん

『東新宿駅から少し小道に入ったところに
新規オープンした和食屋さん。
店主がNetflixで話題なったイケメンさんです。

新潟笠原農園のお米を使ったコースです。
14品と品数も多く、グラタンや焼売、メンチカツなど
少し洋食要素もあり多彩なメニューです。

スタートが看板の新米を藻塩で
食べさせていただけます。

刺身も大トロと赤身、目抜き、ブリに
1口酢飯がついていて楽しくなります。

お椀は出汁が効いて黒舞茸の芳醇な香りに包まれます。
料理の器もこだわりを感じます。

蕨、薩摩揚げ、生蒟蒻の煮物などは
とても田舎料理を感じられ美味しいです。

変化球で塩麹煮卵、雲丹、いくらのせ
もち豚の焼売、白子のグラタン、
越後牛のメンチカツとがっつりいけます。

そして〆は何と言っても
南魚沼産こしひかりの土鍋ご飯。
豚汁に自家製糠漬けがたまりません。

デザートもあってお腹いっぱいの美味しい
コースです。また伺います!!!』(booseyy1224さん)

お造り 出典:ひきにく美ちゃんさん

『新潟出身の店主さんが手がける、食材の旨みをじっくり感じられるお店です。お米はもちろん新潟産。土鍋で炊き上げられたごはんは、一粒一粒が輝いていて思わずため息…!お料理はどれも丁寧な仕事が感じられ、季節感たっぷりの優しい味わいです。

お造りは新鮮で、脂のりの良いお魚に合わせるわさびも香り高く、感動しました。椀物は出汁がとても澄んでいて、身体に染み渡る上品な味。

うにといくらをのせた、塩麹煮卵は贅沢そのもので、口の中いっぱいに広がる旨みが幸せでした。

カニの茶碗蒸しはとろっと濃厚、でも後味はすっと消える繊細さ。

もちもち食感のしゅうまいも印象に残る一皿でした。

全体を通して、派手すぎないのに「ちゃんと美味しい」が積み重なっていく感覚。新潟の良さを静かに、でもしっかり伝えてくれるようなコースでした。

店主さんも柔らかい雰囲気で居心地よく、最後に炊き立ての土鍋ご飯を見せてくださる演出にもほっこり。落ち着いてゆったり過ごしたい時にぴったりのお店です。また季節を変えて伺いたいと思います』(ひきにく美ちゃんさん)

※価格は税込。

食べログマガジンで紹介したお店を動画で配信中!
https://www.instagram.com/tabelog/

文:佐藤明日香