渋谷には、復活したそば店と人気グループの立ち食い炉端焼きが

ファン歓喜、渋谷のそばが復活

9月14日、渋谷に「本家しぶそば 渋谷道玄坂店」がオープンしました。2020年に惜しまれつつ閉店した東急東横店2階の味が、道玄坂の路面店で復活です。

かつてよく利用した店頭でのおにぎりの販売はありませんでしたが、レジからマイクで注文を厨房へ読み上げる名物のオペレーションは継承されています。6種の具がのった「オールスター」や南蛮漬けにしたさばと北海道産じゃがいもを使った「さばコロッケそば」、“賞味期限3分”の「究極おかか飯」などの渋谷限定のそそられるメニューも。早速さばコロッケそばをオーダーして、かつてマッキー牧元さんに教えていただいた方法を実践しました。コロッケを丼の底に沈め、熟成させるのです。濃いめの出汁を思い切り吸ってふやけたコロッケは、素晴らしい満足感でした。

さばコロッケそば

早くも人気になりそうな、渋谷の炉端焼き

10月6日、渋谷ストリーム1階にオープンしたのは立ち飲み店「ONDO」です。同エリアで人気の「カメラ」「テンキ」の姉妹店で、こちらのテーマは“囲炉裏料理と日本のお酒”。日本酒や焼酎はもちろん、ワインも日本産にこだわっています。

スタッフのコミュニケーション力も高く、目の前の渋谷川を眺めながら一杯もできます。名物と銘打たれた「ポルケッタ ジンジャーポークソース」は濃いめのソースに柔らかな肉とコールスローが添えられていて、ご飯が欲しくなる味わい。〆の焼きおにぎりと合わせたくなりました。炭火焼きは他に「海老 ガーリックシュリンプソース」がありましたが、今後種類を増やしていくとのこと。駅からも近く、立ち飲みと炉端焼きが大好きなインバウンド客の人気も集めそうです。

ルケッタ ジンジャーポークソース
ルケッタ ジンジャーポークソース   写真:お店から

レジェンドシェフの食べ歩き用ハンバーグと、羽釜炊きのお米もおいしい高級のり弁

レジェンドシェフが作った食べ歩きフード

9月12日、浅草に「レストラン大宮ラボ」がオープンしました。人気洋食店「レストラン大宮」の向かいにあって、テイクアウトをメインにした新業態です。

それだけにメニューは「スティックハンバーグ」「オオミヤメンチ」「浅草フリット」「濃厚ソフトクリーム」と食べ歩き用に特化。インバウンドの観光客であふれかえる浅草のニーズにマッチしていて、親子連れの外国人客などで大盛況でした。牛8:豚2の本店名物のハンバーグを、つくねのように刺したスティックハンバーグは驚くほどジューシーで、一気に頬張ってしまうほど。なにより、75歳にして現役のレジェンド・大宮勝雄シェフに会えるのは魅力です。

スティックハンバーグ

ご飯も合格! つやつや羽釜ご飯ののり弁

9月2日、赤坂にはのり弁専門店「海苔弁当 茜華」がオープンしました。「茜坂大沼」の姉妹店で、「藁燻銀鮭海苔弁当」(2,200円)、「藁燻鯖海苔弁当」(2,300円)、「銀ダラ西京漬け海苔弁当」(2,500円)を販売しています。

お弁当で一番重要なのはご飯だと思っているのですが、こちらは「つや姫」を羽釜で炊いていて、美味。具材もたっぷり半身の魚に加え、出汁巻きや白身魚の甘辛煮、さつま芋天、肉詰め椎茸天、鶏の山椒照りなど大変充実しています。大口注文も入るそうで、高級ゆえの需要がうかがえます。事前のネット予約がおすすめです。

「藁燻銀鮭海苔弁当」(手前)、「藁燻鯖海苔弁当」(奥)

オールタイム活用できるイタリアンカフェと話題のグルメバーガー

ホットドッグが美味

9月10日、駒場東大前にオープンしたイタリアンカフェ「Lungo」は同エリアの人気店「TOKYO PASTA WORKS」の姉妹店で、朝8時からの営業です。モーニングやランチのほか、ローストチキンやスープ、スイーツなどのテイクアウトも可能で、夜の営業では季節のカクテルなどもオンメニュー。

店内は2人掛けテーブルや窓向きカウンターがあり、気分転換にも仕事や勉強の利用にもぴったりで、知っておくと活用できそうです。ランチのホットドッグはボリューミーな自家製イタリアンソーセージが特徴的で、シンプルながら完成度の高い一品でした。東大キャンパス側ではない西口すぐの立地で、隠れ家的な雰囲気も魅力です。

自家製イタリアンソーセージのホットドッグ サラダ付き

「I'm donut?」の新業態はハンバーガー

最後は10月11日、渋谷にオープンして大変な話題になっている「ネオナイスバーガー(Neo Nice Burger)」です。あの「I’m donut?」の新業態で、“ネオ・ファストフード”として高級すぎないグルメバーガーを掲げます。

大行列を避けようとオープン2週間後の朝10時半ごろにうかがいましたが、それでも10人待ち。ネーミングに引かれてオーダーした「エッグエッグボロネーゼバーガー」(660円)は肉感の強いパティにボロネーゼ、さらに2枚重ねの目玉焼きという布陣。数種類の穀物をまぶした自家製バンズの食感も印象的でした。2階にはイートインスペースと共に「I’m donut? 渋谷宮益坂」もあります。

エッグエッグボロネーゼバーガー

教えてくれた人

大木淳夫
『東京最高のレストラン』編集長 
1965年東京生まれ。ぴあ株式会社入社後、日本初のプロによる唯一の実名評価本『東京最高のレストラン』編集長を2001年の創刊より務めている。その他の編集作品に『キャリア不要の時代 僕が飲食店で成功を続ける理由』(堀江貴文)、『新時代の江戸前鮨がわかる本』(早川光)、『にっぽん氷の図鑑』(原田泉)、『東京とんかつ会議』(山本益博、マッキー牧元、河田剛)、『一食入魂』(小山薫堂)、『いまどき真っ当な料理店』(田中康夫)など。 好きなジャンルは寿司とフレンチ。現在は、食べログ「グルメ著名人」としても活動中。2018年1月に発足した「日本ガストロノミー協会」理事、「料理レシピ本大賞」特別審査員も務める。最新刊『東京最高のレストラン2026』が12月に発売。10月に初の著書『50歳からの美食入門』(中央公論新社・中公新書ラクレ)を出版。

食べログマガジンで紹介したお店を動画で配信中!
https://www.instagram.com/tabelog/

※価格は税込です

文・撮影/大木淳夫