母の味で培った“食リアクション”
平日昼間に放送されている主婦層向けの情報番組で食べ姿を披露。「上品なうえに美味しそうに食べる!」と、マダムをくぎ付けにした理由をさかのぼってもらうと……。
最近よく、「美味しそうに食べるね。」と、食べているときのリアクションを皆さんから褒めていただくんです。自分では普通に食事をしているだけなので、なぜなのかなと思っていました。親から食事マナーを教わるとき、「もうちょっと美味しそうに、うれしそうにリアクションしなさい。」なんて、言われないじゃないですか(笑)。
だから褒めていただく機会が増えたときに、昔を思い出してみたんです。子どもの頃はほぼ外食をしたことがありませんでした。
家での食事は、基本は母親が手作りしてくれたご飯。小学生の頃は、母親の手料理をひと口食べるたびに「わぁ! うま~い!」と、拍手をして喜んでいた記憶があります。
子どもが嬉々とした反応をしたら母親は絶対にうれしいものですよね? しかもわざとしていたわけではなく、自然に良いリアクションしていましたから。だからいまも誰かを喜ばせようと意識して食べているのではなく、生まれながらにしてのリアクションなんです。
大好物は母が作ってくれたポテトサラダ
小さいときはハンバーグやコロッケが好きで、中学と高校の頃は、母親が作ってくれる豚のしょうが焼きが好きでした。
あとはポテトサラダ。母親が作ってくれるポテトサラダが最高に大好きです。たぶん普通の作り方だと思うので、材料の割合はわかりません。でも、いままで母が作る以上に美味しいポテトサラダには、まだ出合っていないです。
過酷な撮影を支えてくれたのは……
『猫忍』の撮影は、ずっとロケ先の日光に泊まりっぱなしで、撮影中はホテルと日光江戸村の行き来のみの生活の繰り返し。かなりハードでした。
以前は役に入る前に、その役が着るであろう私服を普段から着続け、役に入り込んでから現場に入っていました。でも今回の役は忍者ですし、ホテルと現場の行き来だけでしたから、ずっとスウェットで生活していたんです。そんな生活のなかで一番の楽しみは、プロデューサーさんがこだわりを持ってオーダーしてくれるケータリングでした。
「ご飯だけはしっかりと美味しい物を用意したら、どんなに大変な撮影でもみんな乗り切ってくれる。」というのが、プロデューサーさんの持論。だから現場では、温かい白ご飯と、スタッフさんが日替わりで担当して作ってくれた、温かい汁物を必ず出していただいていました。
たとえロケ弁だとしても、ご飯だけはちゃんと炊きたて。ふりかけも、常時10種類以上置いてありました。メニューは、何を食べても美味しかった。美味し過ぎてたくさん食べ過ぎてしまい、若干太りました(笑)。
今回は撮影がハードでしたから、食べて体力を付けなければ……と自分に言い訳しながら日頃より食べたんです(笑)。
ケータリングの中で一番、うれしかったのは牛丼です。給食のように大きなお鍋に入っていて、温かいご飯の上によそってくれるんです。いま思い出してももう一度食べたいぐらい、本当に美味しかった。
今回は泊まりがけのロケでしたから、メニューを自分で選ぶことはしませんでしたが、過酷な現場を乗り切るときに食べたい物はやはりお肉です。普段からジムで体作りをしていますし、お肉は筋肉にもなりますから大好きですね。
体を鍛えているというと、鶏のささみばかり食べているイメージを持っている人もいるかもしれませんが、一番好きなのは牛肉。牛、豚、鶏の順番で好きです。
周りの歌を歌う方が皆さんおっしゃるんです。「お肉……特に牛肉のステーキを食べないと声が出ない。」と。以前、共演させていただいたミュージカル『ロミオ&ジュリエット』に出演していた頃は、毎日のように牛肉のステーキを食べていました。
相棒・オヤジ猫の金時について
中学生くらいから実家で犬を2匹飼っていますが、猫と触れ合うのは『猫忍』の金時が初めてでした。犬と違って自由奔放なんですけど、金時は結構、おとなしく言うこと聞いてくれていました。
撮影中もずっと一緒にいました。安定の可愛さですし、甘えん坊ですし、相棒が金時で本当に良かったと感謝しています。
生涯最期の一品
バタンと死ぬ直前の最期に食べたい一品、予算1万円以内で……って難しいですよね。でも、いまこの瞬間あるいは明日の朝死ぬから、今日、夜ご飯を食べておきなさいと言われたら。
やはり、母親が手作りしてくれたしょうが焼きとポテトサラダのセットが食べたいです。しょうが焼きを頬張って、マヨネーズがたっぷりと付いてる千切りキャベツを頬張って、ご飯を口に入れてから、ポテトサラダも一緒に口に入れたい。これが最高に好きな食べ方なんです(笑)。
ぜいたくを言えるなら、現場で死にたいです。死ぬまで役者であり続けたい。現場で撮影が終わった瞬間、「クランクアップでーす!」と言われ、スタッフさんに「お疲れさまでした。」と言っていただき、僕も「お疲れさまでした。」と答えて、食事をしてから死にたい。
映画『猫忍』について
大野さんが演じる主人公のイケメン忍者・久世陽炎太が、オヤジ猫・金時が演じる「父上」と出会って成長していく時代劇コメディ。
「ほっこり笑える癒やし系忍者活劇。」と大野さんが語るように、観終わった後には、温かいおみそ汁を飲んだ後のような、優しい気持ちで胸がいっぱいになること間違いなしです。
「登場人物ひとりひとりが個性的で、みんなどこか抜けてるところがあり、可愛げがあって温かい。」と語る大野さんが演じる陽炎太も、若干コミュ障な忍者という愛すべきキャラクター。クスッと笑える要素がたくさん詰まっています。
撮影に入る前からスタントチームGocooに通い、走り方や床での回転の仕方などを、何度も何度も反復練習したという大野さんの忍者アクションも見どころのひとつ。
忍者独特の走り方について「前傾姿勢で、手を振らないで、体が上下しないように走るから、全くスピードが出ている感じがしませんでした。」と、苦労を漏らしていた大野さんでしたが、練習の成果がばっちり出たスピーディーな走りも見せてくれています。もちろん、オヤジ感満載で愛らしい金時の名演技にも注目。
猫と侍という異色のコンビで話題となった『猫侍』の製作陣が再集結、大野さんが「何も考えずに気楽に見て、日々の疲れを癒やしてもらえたらうれしいです。」と語る映画『猫忍』は、2017年5月20日より全国公開。