TOKYO HIP BAR Vol.30

グリルレストランならではの“肉カクテル”とは?

サステナブルな視点で考案した

「ベーコンバーボン」はどんな味?

 

コーヒーの香りを嗅ぐとコーヒーが飲みたくなったり、ポテトチップスを一口かじるともっと欲しくなったりと、何か少し刺激が入るとそれをもっと欲しくなるのは人の常です。

 

それではグリルレストランでの最高の食前酒は何かと考えるとき、その答えになりそうなのが“肉のカクテル”です。

写真:お店から

 

このカクテルを提供しているのは、トラディショナルアメリカンをベースにしたグリル料理を提供する「クリスタ」。オリジナルのスパイスをまぶしたステーキやシーフードのグリルが人気のダイニングです。

写真:お店から

 

ダイニングに併設されているバースペースは、バーだけでの利用も、食前に待ち合わせてアペリティフとしての利用もできます。その日にクリスタでのステーキの予定があるならば、おすすめしたいのが“ベーコン カクテル”こと「beacon bacon(ビーコン ベーコン)」です。

お店から日々出る良質なベーコンオイル。サステイナビリティの観点からもこれをうまく利用できないかと考えた「クリスタ」のバーテンダーは、ベーコンオイルをバーボンに漬け込み、風味をバーボンにうつした後、油分を完全に取り除くことでお酒のベースを作成。“ベーコンバーボン”となったそのバーボンに、メイプルシロップを加えてシェイクし、オレンジで香り付け、実際にベーコンを飾ってカクテルが完成します。

 

オリジナルのレシピだとウイスキー、スイートヴェルモット、アロマティックビターズを使用するアメリカ生まれのカクテル「マンハッタン」をツイストしたもので、スイートヴェルモット代わりの甘みがメイプルシロップに、ビターズ代わりの風味がベーコンやオレンジとなっています。ほのかな風味ながらも、後味にいい具合の存在感を残してくれるのは良質なベーコンオイルならでは。飲み口は極めて爽やかですが、その後に続く料理への食欲の引き金となってくれます。

 

さて、前出のカクテル「マンハッタン」。この誕生には諸説あるものの、第19代アメリカ大統領選のときに、チャーチル首相の母親がニューヨークの“マンハッタン・クラブ”でパーティを催したときに、このウイスキーとスイートベルモットの組み合わせを提案したことから、クラブの名前にちなんで「マンハッタン」となったといわれています。

 

そして「beacon bacon」の“beacon(ビーコン)”はクリスタの前身のお店である店舗の名前。長年ステーキハウスとして青山に文化を根付かせたビーコンに敬意を払って名付けられているこのベーコンカクテルが、マンハッタンのように長く人々に愛されるカクテルになったらと、カクテルの一ファンとして期待をしています。