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今回は、アラカルトのメニューから4品をご紹介。自家製のシャルキュトリーの盛り合わせやステーキフリットなど、料理はリヨンの伝統料理がアラカルトで30品以上スタンバイ。前菜と主菜が1皿ずつ選べる2皿のコース(2,200円)も人気だそう。

まずは看板ともいえる、腸詰・アンドゥイエット。優れたアンドゥイエットに与えられる5Aの称号を「正統派アンドゥイエット愛好家友好協会」から外国人で唯一認められ、今は殿堂入りしている逸品だ。胃、大腸など豚の内臓のみ使用し、味付けは塩・コショウのみとシンプル。添えられた生クリーム&マスタードのソースでいただく。「日本は内臓の処理が丁寧なので、現地のものより香りは控えめですよ」

アンドゥイエット5A マスタードソース(2,800円)
5Aの称号。10年までは2年ごとに審査があり、10年を過ぎた後殿堂入り
 

門上さん

豚の特性を活かしながら臭みなく見事です。がっつり食べたい!

前菜で人気のフォアグラのテリーヌ。今はハンガリー産のフォアグラを使用し、丁寧に下処理を施す。なめらかな舌触りとコクが見事。ブリオッシュとプラムのジャムを添えて。

フォアグラのテリーヌとブリオッシュ(1,800円)
 

門上さん

フォアグラのおいしさが発揮された一品です!

「ベーコンやハムを作るときの煮汁がスープのベースです」と久保さん。オニオングラタンスープは玉ねぎの甘みとグリュイエールチーズの調和が見事ながら、ほっとする味わい。

オニオングラタンスープ(1,500円)
 

門上さん

玉ねぎとチーズの麗しい共演!

同店のリヨン風サラダはポーチドエッグではなく目玉焼きに、砂肝もコンフィするなど、定番のリヨン風サラダをブラッシュアップしている。

リヨン風サラダ(1,500円)
 

門上さん

リヨン風サラダの真髄だと思います。

もっともっと、店を大きく

「やっていることは基本20年間変わっていませんが、その中で努力を続けているので進化はしていると思いますよ」と久保さんは話す。今は後進も育ってきているそうで「この京都で、100席くらいあるような店をやってみたいです。もっともっと店を大きくして、いろんな方々にクラシックなビストロ料理を楽しんでいただきたいですね!」と笑った。

豚のモチーフのレストやカトラリーも愛らしい
 

門上さん

日本語がほぼなく、ここはパリかと思わせる空気感が素敵。気取ることなく、内装も含めパリのビストロの雰囲気を楽しむことができます。

教えてくれた人

門上 武司

1952年大阪生まれ。関西中のフランス料理店を片っ端から食べ歩くももの足らず、毎年のようにフランスを旅する。39歳で独立し「株式会社ジオード」設立後はフードコラムニストというポジションにとどまらず、編集者、プロデューサー、コーディネーターとマルチに活躍。関西の食雑誌「あまから手帖」編集顧問であり、全日本・食学会副理事長、関西食文化研究会コアメンバー。著書には「食べる仕事 門上武司」「門上武司の僕を呼ぶ料理店」(クリエテ関西)、「京料理、おあがりやす」(廣済堂出版)、「スローフードな宿1・2」(木楽舎)、など。年間外食は1,000食に及ぶ。

食べログマガジンで紹介したお店を動画で配信中!
https://www.instagram.com/tabelog/

※価格は税込。

文:木佐貫久代
撮影:福森公博