【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレーとスパイス#218】「天堂」

新宿区弁天町に面白いお店ができました。「タイチャイニーズ」をコンセプトとした中華料理とタイ料理のフュージョン的な個性的で楽しい料理を出すお店「天堂」。2025年3月20日からプレオープンしていましたが、5月1日に正式オープンとなりました。

弁天町とは東西線早稲田駅と神楽坂駅のちょうど間くらいに位置し、大江戸線牛込柳町駅や有楽町線江戸川橋駅からも徒歩圏内にある場所です。

夜は時期によって内容が入れ替わるセットアップディナー(取材時は6,000円で内容によって多少変動有り)、週末ランチのセット(1,700円)も前菜、点心、メインのプチコース仕立て。それぞれアラカルトメニューからも追加注文可能ですが、こちらのお店は少しずつ色々と楽しめるセットが一番その魅力を感じられるでしょう。

例えばセットアップディナーの干豆腐とハーブのサラダは中華料理で使われる干豆腐とタイ料理で使われるさまざまなハーブを合わせたフュージョン。ドレッシングもカー(タイの生姜)とマーガオ(台湾で使われるスパイス)オイルの融合。

タイ料理の定番メニューである空芯菜炒めは空芯菜のみならずセロリと皮蛋も加わり、皮蛋の味わいと濃厚さが空芯菜と絡みあい、これもまさにフュージョン料理と言える仕上がり。

楽しい料理が多い中でも僕の一番のお気に入りは「焼き餃子」880円。ガイヤーン(タイ料理のグリルチキン)を餃子に仕立て、フリーズドライのバイマックルーパウダーが餃子の上にふりかけられたもので、何もつけないでもおいしいのですが、一緒についてくるグリーンカレーソースをつけるとさらなるおいしさの相乗効果が生まれます。

そもそも餃子自体のクオリティが非常に高いのですが、それもそのはず。こちらのお店は江戸川橋の人気店「フジ コミュニケーション」のシェフが新たに手がける姉妹店なのです。
ランチ、ディナー、共にメインを張る料理のひとつである「泰式麻婆豆腐」は麻婆豆腐をタイのガパオライス仕立てにしたもの。

ガパオとはタイのハーブですが、優しい味付けの麻婆豆腐だからこそガパオが合います。一緒に合わせるご飯はタイのジャスミンライスだったり、ジャスミンライスともち麦を合わせたものだったり、日によって違うのも楽しいです。

さまざまな料理に使われているハーブの一部は、シェフご自身がお店の近くに作った畑でとれたもの。九層塔というスパイシーな香りの品種のバジルや、ナリーパクチーというふわふわした葉が繊細で香りが穏やかなものなどを育て、とれたてを使用。だからこその香りの良さがあります。
元々タイ料理は中華系移民によって伝わった中国料理の影響も受けている部分があり、調理法にも共通点が多く見られます。

雰囲気の良い古民家に合わせたコンセプトとして、唯一無二の「タイチャイニーズ」を掲げ、お酒と共にゆっくりした時間を味わってほしいとのこと。
温かみのある店内のBGMはHIP HOPであったりするのも不思議とマッチしていて、リラックス&チルな空間となっています。楽しく、おいしく、素敵な時間を過ごせる新店舗。わざわざ行く価値のあるお店ですよ。
※価格はすべて税込