〈New Open News〉

毎日、たくさんの新しいお店が登録されている「食べログ」。そんな「食べログ」のデータベースの中でも、オープン早々、高い評価の口コミがあったり、多くの「保存」をされたりしている『注目のお店』を食いしん坊ライターが紹介します。 早くもお店に訪問した食べログレビュアーのコメントも掲載!

鷹匠鍋 あか羽(東京・赤坂)

1948年創業の老舗鴨料理店「鷹匠鍋 あか羽」が、2024年10月17日、赤坂に移転し、リニューアルオープンしました。

店舗外観。看板に歴史を感じます 写真:お店から

「あか羽」の歴史は、宮内庁で狩猟頭を務めた坊城元伯爵より初代店主が宮中の鷹匠料理を伝授され、赤坂福吉町で店を開業したことから始まります。「鷹匠鍋」とは日本刀に使われる玉鋼を使った鍋で、その昔、皇族や将軍、大名などが鷹狩りで仕留めた獲物をその場で調理するために用いた鍋です。玉鋼は日本の古式製鉄法で作られる鋼の一種で、質量が大きく、熱するとかなりの熱量を鍋に溜め込むことができます。

料理に使われる「鷹匠鍋」 写真:お店から

鍋料理と聞くと煮るイメージがありますが、「鷹匠鍋」は肉を焼く料理です。高温に熱した玉鋼の鍋で鴨肉を焼くと、身がふっくらとやわらかく、旨みが瞬時に閉じ込められ、絶品の味わいになります。この鍋自体、新たに作るのは難しく、他にはない希少な味わいと言えるでしょう。

店舗内観 写真:お店から

「あか羽」は創業の地から何度か移転し、2022年から麻布十番で営業していましたが、入居していたビルの解体に伴い、赤坂に移り、新たな歴史を刻むことになりました。

場所は赤坂駅から徒歩3分ほどの場所にあるビルの2階。新店舗には個室も設けられ、プライベートな空間で接待やハレの日の会食などにも利用できます。

「鷹匠鍋コース」真鴨19,800円、国産間鴨17,600円、「鴨場コース」27,500円(真鴨のみ使用) 写真:お店から

いただけるのは鷹匠鍋を中心にしたコース、2種類。使われる鴨肉は11月から始まる真鴨の猟期中は真鴨、それ以外の時期は国産間鴨になります。

真鴨は長年の歴史のある同店ならではの繋がりで、新潟県の生産者から良質なものを仕入れています。「鷹匠鍋」は、鍋で焼いた肉を塩やポン酢などのタレにつけていただくシンプルな料理。厳選した真鴨の、そのもののおいしさを存分に楽しむことができます。

料理人が焼いてくれるのでちょうどいい焼き加減でいただけます(写真は移転前の麻布十番店のもの)
料理人が焼いてくれるのでちょうどいい焼き加減でいただけます(写真は移転前の麻布十番店のもの)   写真:お店から

コースには鷹匠鍋のほかに、キジや猪、ウズラなどのジビエ料理が付きます。さまざまな日本のジビエを楽しめるのもうれしいですね。料理に使用する野菜にもこだわり、取引のある農家から有機栽培された旬の野菜を仕入れています。

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キジや鴨肝などの串焼き   出典:okato307さん

絶品の鴨料理に合わせたいのは赤ワイン。赤ワインのラインアップも充実し、鴨とワインのマリアージュを楽しむことができます。

玉鋼で作られた鍋を使った鴨料理が食べられる店は都内でもたった2軒だけ。「鷹匠鍋 あか羽」では鴨猟のシーズンになると予約がすぐに埋まっていくのだそう。貴重な味わいを体験しに出掛けてみてはいかがでしょう。

食べログレビュアーのコメント

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真鴨の時期でないため、間鴨を使用   出典:okato307さん

『時期的に真鴨ではなく間鴨が供されます
11月の中旬からはいよいよ真鴨の時期のようです
※その頃は予約がとっても取りにくいそうです

大昔は殿様が狩りをして得た獲物を、好きな具合に焼いて食べると言う習慣を体感出来る、落ち着いた雰囲気のお店です

大将のお人柄もよく前菜などでは雉、猪が食べられ、ジビエ好きの方にはオススメのお店です』(okato307さん

※価格はすべて税込。

文:小田中雅子