〈New Open News〉

毎日、たくさんの新しいお店が登録されている「食べログ」。そんな「食べログ」のデータベースの中でも、オープン早々、高い評価の口コミがあったり、多くの「保存」をされたりしている『注目のお店』を食いしん坊ライターが紹介します。早くもお店に訪問した食べログレビュアーのコメントも掲載!

Chinese Restaurant 晴華(東京・木場)

2024年8月、木場駅から徒歩2分ほどの場所に、全国各地の四季折々の食材を取り入れた中華料理をコースで提供する「Chinese Restaurant 晴華」がオープンしました。

店主・大胡 晴雄氏
店主・大胡 晴雄氏   写真:お店から

店主の大胡 晴雄氏は12年間修業を積んだ後、東京を中心にさまざまな飲食店を展開する「株式会社ウェイブズ」に12年勤務。「食べログ 中国料理 TOKYO 百名店」に選出されている新富町の名店「東京チャイニーズ 一凛」では店主と料理長を5年間、 中華料理とスペイン料理の融合が楽しめると日比谷で人気を博している「TexturA」でも料理長を3年間務めてきました。

ライブ感が楽しめるカウンター
ライブ感が楽しめるカウンター   写真:お店から

「12年働き、コロナも含め色々な問題もありましたが、仲間と一つ一つクリアしていくことで自分に自信が持て、応援してくれるお客様が沢山できたことで今回独立に至りました。」と大胡氏。江東区を中心に物件を探していましたが、なかなか理想の物件に巡り合わず、独立を決めてから開業するまで2年近くかかったそうです。新店舗は駅からも近く新築で、内見時に広さや店舗の形が自分のお店を作る上でイメージしやすかったのだとか。駅からのアクセスも良く、2階に位置する店内は昼間は日差しで明るく、ガラス窓から見える風景を楽しめます。

カウンターを中心とし、大胡氏が全体を見渡せて、細やかなサービスを心掛けられるような設計。客席は臨場感のあるカウンター10席と、2名用テーブルが3卓あり、テーブルは最大6名まで使用可能です。

よだれ鶏
よだれ鶏   写真:お店から

メニューは昼夜ともにコースのみ。「≪ランチ限定≫5,500円コース」では、看板メニューの「よだれ鶏」をはじめ、餃子やお肉、魚、野菜、デザートまで楽しめます。「よだれ鶏」は一凛でもお馴染みのメニューではありますが、使用する鶏肉は、名シェフがこぞって使う兵庫丹波産の髙坂鶏。軟らかく、しっとりとジューシーな鶏の食感、熟成させて凝縮された旨みは格別です。上品な味わいのタレは、胡麻、ナッツ、パクチーと、醤油と黒酢をベースにした2種類の辣油で深みを加え、おいしさを引き立てます。特筆すべきは、醤油はヤマサ醤油をベースに、干し椎茸、利尻昆布、鰹節、たまり醤油、みりん、酒で2週間寝かせた旨みたっぷりの醤油を使っていること。この組み合わせが特別感を醸し出しています。

鰻の唐辛子炒め
鰻の唐辛子炒め   写真:お店から

「8,800円のお任せコース」は中華をベースとしながらも、日本各地の旬食材を取り入れているコースで、“円卓で楽しむ本場さながらの醍醐味を味わっていただきたい”という思いから、基本は1皿をシェアするスタイルでの提供です。「14,000円のフカヒレとリゾットのお任せコース」は、「8,800円のお任せコース」から魚介をなくし、フカヒレとリゾットが追加された贅沢なコースです。

食後には、3種の中国茶から好みのものを選べます。「鰻の唐辛子炒め」は、この時期にしか食べられない自慢の逸品。大きめの鰻を使用し、数種類の野菜と一緒に炒めます。鰻と一緒につけて食べるタレは、大和芋と鶏ガラスープ、国産の山椒を合わせたとろろ。唐辛子の辛さだけでなく、とろろで辛さが中和され、ほのかにピリリとした山椒が癖になります。

クルミ豚のチャーシュー
クルミ豚のチャーシュー   写真:お店から

また、同店で使用する豚肉は、まだあまり知られていない「くるみとん」。宮崎県と鹿児島の県境にあり、霧島連山の麓にある都城市で営んでいる「なかつファーム」と言う養豚場から仕入れています。家族経営のため、小規模生産ですが、クルミを食べて育った豚の脂は甘く、きめが細かい肉質で、ふんわりと優しい旨みが特徴。クルミも農場で収穫した物を使い、豚に手作業であげています。元々テイクアウト用のカツサンドのために豚肉を探し、この豚にたどり着いたとのこと。冷めてもおいしく味わえるよう、パンが油などを吸わないように焼き方を工夫するなど、朝から晩まで何日も食べ続けて試作を続けたそう。

ウェイク
クルミ豚の餃子   出典:ウェイクさん

料理人として、一匹の豚を使い切ってあげたいという思いから、さまざまな部位を使用し、今後は内臓を使ったメニューも考えていく予定だとか。餃子やシュウマイ、チャーシューにもくるみとんを使用しています。一部位だけでなく一頭買いきったほうが、フードロスにもつながるのではと一頭買いをし、また養豚場で余った部位の使い方も模索。「なかつファーム」は、地震の影響で出荷できない状況でしたが、8月後半〜9月ぐらいには出荷可能になるそうです。

幅広いドリンクも用意
幅広いドリンクも用意   写真:お店から

料理との相性を考慮した、幅広いドリンクも用意。中でもワインや紹興酒は、希少なものから王道の銘柄まで多数取り揃えています。また日本酒も、中華に合うものを厳選。その他中国酒をはじめ、ビールやハイボールといった定番メニューもあり、豊富なラインアップの中から、好みの一杯を探してみてください。

大胡氏の確かな技術とセンスが光る本格的な中華料理を堪能できる「Chinese Restaurant 晴華」。カウンター席では気軽に大胡氏との会話も楽しめるのもうれしいですね。予約困難になる前に訪れたい、話題の新店です。

食べログレビュアーのコメント

TARO OKAZAKI
焼きフカヒレ   出典:TARO OKAZAKIさん

『お昼なのに夜とまったく同じフルコース。

シェフの大胡さんとは築地警察署の並びにある東京中華一凛で出会ってからかれこれ6年くらいの付き合いで、彼はその後有楽町の中華料理とスパニッシュの融合を試みたモダンなレストラン「TexturA」の料理長をやっていた男である。

なので、その仕事のおいしさと、そのスピード、そして接客の気持ちよさは底抜けであり、実力とセンス、満を持しての独立オープンとはこういうことかと思い知らされました。

さて、この日の料理のハイライトのひとつは、銚子産の高級フカヒレの尾の部分を贅沢に焼きフカヒレで頂きます。実はもちろん、ソースが絶品で、そこに白ご飯を落としもらったのですが、それがまたいい。ぜひ無理してもトライしてほしい。

そしてもうひとつのハイライトは鰻。
たっぷりの唐辛子をあげて、その油を潜らせた鰻の天ぷら。見た目にも唐辛子の赤が鮮やかで、スパイシーな香が鼻腔をつきます。

まぁどの料理も美味しいのですが、高級ブランド鳥の最高峰である高坂鳥を使ったヨダレ鳥と焼き物、宮崎県の「くるみとん」のチャーシュー。そして和牛のスネ肉を使った麻婆豆腐は、安定の美味しさで、大変に満足しました。

昼としては完全に食べすぎました。

開店4日目にして、このクオリティー、この仕上がり感。これから益々の発展に超期待が高まります』(TARO OKAZAKIさん)

麻婆豆腐 写真:お店から

『場所は木場と東陽町の真ん中ぐらいで新築物件です。カウンターとテーブルそれぞれあって子供も問題ないってことでした

この日はコースを食べたけど、安い!と感じるボリュームで、大満足!王道のよだれ鶏は高坂鶏を使っててこどりを感じる。麻婆豆腐はスネ肉つかって歯ごたえ良くてお腹が空いちゃう!

餃子をつける食べるスタイルはど定番!
もー今の価格じゃ、そのうち上がるから今のうちに!』(ウェイクさん)

※価格は税込。

文:佐藤明日香