教えてくれる人
はなとも
日本スイーツ協会認定のスイーツコンシェルジュ。スイーツ専門のライターとしてさまざまなweb媒体で記事を連載中。著書「スイーツ男子はなともの I love パンケーキ」(KADOKAWA)、はなとも監修パンケーキミックス粉、その他、監修商品やコラボメニューなど多数。前職はお花屋さんという異例の経歴を持つ。
世田谷区太子堂にあるジェラート専門店「YAYOI TOKYO(ヤヨイ トウキョウ)」。洋菓子の世界大会で優勝したトップ オブ パティシエが作るジェラートは、素材の風味をナチュラルに活かした、とても優しい味わいです。中でも「グレープフルーツ×金木犀」は、その珍しい組み合わせから奏でる独創的な風味がスイーツ好きに大人気。今回はそんな絶品ジェラートと大人気のパフェをご紹介します。
スイーツの世界大会で優勝したパティシエがジェラート専門店をオープン
「YAYOI TOKYO」は、田園都市線・三軒茶屋駅から徒歩5分。大型スーパーや飲食店が立ち並ぶ、茶沢通りの1本脇に入った住宅街の一角にあります。
3月を指す「弥生」という店名は「芽吹きの力を備えた春に、優しさと力強さを感じさせるデザートを作りたい」という思いから名付けたのだそう。
大塚シェフは高校卒業後、とある有名パティシエが作ったケーキを食べてそのおいしさに感銘し、パティシエになることを決意。東京の菓子会社に就職し、10年ほど商品開発を担当しました。菓子会社在籍時の2017年には、イタリア政府が公認するスイーツの世界大会「FIPGCイタリアミラノ世界大会」で部門優勝。2021年には同大会で優勝するなど、さまざまなスイーツ部門で賞を獲得します。その後は、京都のパティスリーや箱根の宿泊施設の立ち上げに尽力し、2023年に同店をオープンしました。
店内は、白壁に白テーブルというシンプルな空間ですが、春の風景を思い起こさせるような色とりどりの花のアートワークが飾られていて、その雰囲気はまさに弥生(3月)。ジェラート店とは思えない洗練された空間に、自然と気分も高まります。
パティシエならではの知見を活かして作る同店のジェラート。口に残る余韻ではなく、素材を感じながらもすっと消える爽快感を大切にジェラートを作っています。
そんなジェラートの核となるのが、“水”。数多くの水を試していく中で、優しい軟水ながらも雄大で神々しい自然の強さを感じる屋久島の水が自分の作るジェラートにぴったりと合ったそうです。
こだわりは水だけではありません。卵を使用せず、砂糖を控えめにすることで重みを感じさせない生の果実のようなみずみずしさを生み出しています。屋久島の清らかな水と卵不使用で仕上げたフレッシュで繊細な味わいは、ここでしか食べられないおいしさです。
そんなこだわりの詰まったジェラートは、定番と季節限定を合わせて全10種類あり、どれを選んだらいいか迷ってしまうほど。「苺」や「ショコラ」の定番のほかに「加賀棒茶×ミルク」や「ヨーグルト×ハニー」などユニークな組み合わせもあるので、悩む時間も楽しそうです。
また、同店ではジェラートとアルコールのペアリングも提案してくれます。期間限定のジェラート「ポップコーン」にビールなんて、面白い組み合わせも!
今回はそんなこだわりジェラートの中から僕が特におすすめしたいとっておきの2品をご紹介します。