〈食べログ3.5以下のうまい店〉

おいしいもの好きのあの人に「食べログ3.5以下のうまい店」を教えてもらう本企画。今回は有野いくさんがおすすめする、東新宿の韓国フライドチキンのお店をご紹介します。

教えてくれる人

有野いく
3,500店舗以上の唐揚げを食べ、毎日健康唐揚げ生活。唐揚げ大好きで、専門家としてのメディア出演多数。著書に「唐揚道」(ぶんか社)がある。

韓国で30年以上続く老舗フライドチキンの味が楽しめる、東新宿「kayaチキン」

 

有野さん

通うきっかけは友人からのおすすめでした。知る人ぞ知るお店で、タイミングが良ければ並ばずに入れるところがうれしいです。店員さんが気さくで接しやすくて楽しい。トリあえず行ってみて!

東京メトロ東新宿駅から、大久保通りをJR新大久保駅方面へ歩いて2分ほど。雑居ビルの2階に「kayaチキン(ガヤチキン)」と掲げられた韓国フライドチキンのお店がある。

テーブル席と座敷が広がる店内

同店を営むのは韓国人のキム・サンスウさん。若い頃に日本へ交換留学した経験があり、韓国での会社員時代も日系企業に勤めるなど、日本との関わりがあった。そんなキムさんが会社員を退職後、一念発起し飲食の道へ。キムさんの地元である韓国中西部のテジョン近郊で30年以上続く老舗フライドチキン店「kaya」で修業を積み、2010年に日本へその味を持ってきたのが「kayaチキン」だ。

鹿児島県産の若鶏を使用! 注文を受けてから揚げるでき立てフライドチキン

「フライドチキン」(半羽1,750円)
 

有野さん

新大久保はチキン激戦区。そんな中で鶏肉へのこだわりの強さはナンバーワンでは……? みずみずしくてふっくらジューシー! アゲーッ!

看板メニューのフライドチキンは、注文を受けてから揚げ始めるのが特長だ。そして、鹿児島県産の若鶏を使用している。しっかりと下味を染み込ませる韓国のフライドチキンは、味が染み込みやすい1羽1キログラム程度の若鶏を使うことが重要なのだという。この若鶏以外の調味料や衣は全て、韓国の「kaya」から直送している。

冷凍ではなく生で仕入れた丸鶏を独自に捌き、下味用の専用ダレで24時間以上漬け込む。その後鶏肉を打ち粉でコーティングしてから、天ぷら粉やとうもろこし粉など3種類以上の粉がブレンドされたオリジナルの衣をまぶす。180℃のサラダ油で8〜10分ほどじっくりと揚げたら完成だ。

揚げたての食感が最高

一皿でさまざまな鶏の部位を味わえるフライドチキンは、骨に響くほどガリッとクリスピーな食感が心地よい。鶏肉自体はしっとりジューシーで、本場韓国仕込み、大人向けのフライドチキンとあり、日本で親しまれているフライドチキンよりも唐辛子やブラックペッパーのスパイシーさを感じる。

焼き塩とハニーマスタードはお好みで

フライドチキンを食べ進めたら、無料で頼めるハニーマスタードと焼き塩をもらい、味変するのがおすすめだ。どちらも韓国から直送しているフライドチキン専用の調味料だという。韓国人の「フライドチキンをおいしく食べよう!」という並々ならぬ情熱に感服してしまう。焼き塩は香ばしく角が取れたしょっぱさで、ハニーマスタードはクリーミーな甘さがしっかり感じられ、甘じょっぱい味がクセになる。