教えてくれる人
門上 武司
1952年大阪生まれ。関西中のフランス料理店を片っ端から食べ歩くももの足らず、毎年のようにフランスを旅する。39歳で独立し「株式会社ジオード」設立後はフードコラムニストというポジションにとどまらず、編集者、プロデューサー、コーディネーターとマルチに活躍。関西の食雑誌「あまから手帖」編集顧問であり、全日本・食学会副理事長、関西食文化研究会コアメンバー。著書には「食べる仕事 門上武司」「門上武司の僕を呼ぶ料理店」(クリエテ関西)、「京料理、おあがりやす」(廣済堂出版)、「スローフードな宿1・2」(木楽舎)、など。年間外食は1,000食に及ぶ。
人気イタリアン「sio」監修の新店
阪急「京都河原町駅」から徒歩5分ほど。蛸薬師麩屋町の角地に、2024年3月29日、鳥羽周作シェフ率いる「sio」監修の、カジュアルイタリアンがオープンした。ガラス張りの明るい外観で、外には立ち飲み席やテーブル席が。扉を開けると、無垢の木を使った大テーブルを中心とした落ち着いた店内が広がっている。店名は京野菜の蕪が由来。地元の人や海外からの旅行客にも親しみを持って気軽に立ち寄ってほしいと名付けたという。
門上さん
東京在住の食いしん坊の友人が、鳥羽周作さんプロデュースの店が京都にオープンしたと、情報をくれました。店名でもある蕪の料理はぜひとも味わってほしいです。
「みんなでワイワイガヤガヤ、賑わいがあり、活気にあふれている。それでも居心地が良くて、なぜか落ち着くような店を目指しました」と話すのはオーナーの栗原元哉さん。国内外で美容や飲食、アパレルなどの事業を展開し、豊かで新しいライフスタイルを提案し続ける人物だ。「実は麩屋町通は意外と地味で、夜は人通りが少ないんです。なので、この角地から街全体を賑やかにできればいいなと考えました」。栗原さんの思いを形にするため、奈良にある建築士事務所「ひとともり」の長坂純明さんがデザインを担当した。「おいしさに貢献できる空間を目指しています」とのこと。内装には古材や古建具、信楽焼のオリジナルタイルなどを使い、古いスピーカーやアンプなどアンティークなものたちに囲まれた、居心地の良い空間が誕生した。
「仲間が集まる楽しい時間にはあまり料理の説明はいらない」と考え、“お客様の会話を邪魔しない、シンプルでお酒の進むおいしい料理”がコンセプト。メニューはアラカルトで、牛、豚、子羊などのメイン、冷菜、温菜、パスタ、デザートなどが並ぶ。
入口横には、京都の古建具をランダムに組み上げた壁で構成したワインセラーがあり、個性あふれる生産者のナチュラルワインが豊富に揃う。グラス7種990円~、ボトル7,700円~。ワインのほかにもビールやオーガニックソーダなどのノンアルコール飲料も。