「The Tabelog Award 2024」 受賞店インタビュー

「おいしいを、讃えよう。」をキャッチコピーに、食べログユーザーによる評価をもとにした独自の年間レストランアワード「The Tabelog Award 2024」。対象期間にきわめて高い評価を獲得したお店がノミネートされ、ユーザーによる投票にて「Gold」「Silver」「Bronze」の各賞、部門賞として「Best New Entry」「Best Regional Restaurants」「Chefs’ Gold」が決定した。

受賞店数は456店舗、その割合は日本の飲食店の中のわずか0.05%ほどという狭き門。そんなトップオブトップの飲食店の料理人たちは今、何を考えているのか?

Gold & Chefs’ Gold受賞「茶禅華」川田智也氏

川田智也氏
川田智也氏   写真:お店から

「The Tabelog Award」7年連続受賞となった「茶禅華」。今年は6回目の「Gold」と「Chefs’ Gold」をダブル受賞した。

美食家たちから定期的に訪れたいと、絶大な支持を集める隠れ家レストラン。伝統的な中国料理に日本料理の精神性を織り込む料理で、多くの客人を魅了している。店主を務める川田智也氏が抱く信念とは?

お客様に喜んでいただきたい

写真:お店から

料理人になろうと決めたのは、川田氏が5歳くらいの時。家族で行った中華料理店で感動したことがきっかけだという。そこでの料理の美しさ、おいしさに魅了され、将来は中華料理人になることを決めたそうだ。

写真:お店から

今回の受賞について「たくさんのお客様に喜んでいただけたということかな。非常にうれしいです」と、まず最初に客人への感謝と選んでもらえたことの喜びを語った川田氏。「喜んでいただきたい」、インタビューの中で何度この言葉を聞いただろう。大切にしているのは「今日これから来ていただくお客様」、そう話す川田氏の中に、幼い頃の感動体験は今も生き続けているようだ。

“和魂漢才”、融合ではなく調和

写真:お店から

店名の由来は「お茶であり禅。これは中国から日本に伝来してきて、日本人が昇華・洗練させていった型。そんな中華を作りたいということで『茶禅華』となっています」(川田氏)
「麻布長江」で中国料理を10年、そして「龍吟」で日本料理を5年修業した川田氏は、「日本における中国料理の最高峰をつくりたい」という気持ちと共に「茶禅華」をスタートした。

一生をかけて取り組んでいきたい仕事

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雲白肉   出典:pateknautilus40さん

「茶禅華」のメニューで思い浮かべる人も多いであろう「雲白肉」。シグニチャーメニューであり、川田氏のスペシャリテでもある一品だ。
中華料理人を目指すきっかけとなった店で出会った料理は、彼に「いつかこんな料理を作れるようになって、お客様に喜んでいただけたらいいな」と思わせた。
調理師学校の卒業作品祭でこの「雲白肉」を、当時の同級生でもあり、現在同店の副料理長を務める平井達也氏と作ったという。その時もやはり「こんな料理をいつか自分の店で出したい」と思ったそうだ。

「『憧れ』であり『長い歴史の中で育まれたもの』を、自分が伝統であり、現在、そして未来へつなげていけるこの喜び。それでお客様に喜んでいただけるという……もうこれほどうれしいものはないですね」(川田氏) 

近い将来、新たな「茶禅華」を創造しようと考えている、と話す川田氏。今後の展開にますます期待が高まる。

詳しくは動画で

インタビュー動画では川田氏が、料理に対する思いや、将来の展望などを語る。素晴らしい料理がどのようにできているのか、そのヒントが詰まっている。

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■The Tabelog Award 2024
https://award.tabelog.com/

文:食べログマガジン編集部