【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレーとスパイス#147】「インド家庭料理 ammikallu(アミカル)」

2023年のカレー業界を振り返ると印象的だったのは、南インド料理界の大きな動き。特に日本における南インド料理ブームの火付け役とも言える京橋「ダバインディア」の閉店と、そこから派生した新たなお店の誕生、さらにその他の人気南インド料理店の移転や支店の開店など、多くの動きがありました。今年最後にご紹介する久我山の「インド家庭料理 ammikallu」(以下、アミカル)も、ダバインディアで長年働いた方が独立して開いたお店です。

ダバインディアを運営していた株式会社チョティワラ(現在も「グルガオン」「GOND」を運営)は、社内ルールとして、料理に携わるのはインド人のみで日本人はその他のサービスに従事するというポリシーがあることで知られています。アミカルのシェフは株式会社チョティワラ出身。日本人なのでダバインディアで腕を振るっていたというわけではないのですが、インド現地に何度も通って料理を習得し、ダバインディアのシェフにも料理のポイントの手解きを受けたという方。

既にこちらのお店をスタートする前から白金台や渋谷で間借りカレー店を営み、南インド料理マニア、カレーマニアの間では高評価を得ていた腕利きシェフであり、実際僕の知る中でも都内間借りカレー店の中ではトップクラスにおいしいと感じて通っていたお店が遂に独立したというわけです。

久我山駅近くにある店舗は外からの陽光もたくさん入る明るい空間。

メニューは週替わり(取材時は日替わりでしたが、現在は週替わりになりました)で、この日のメニューはエビのプリコロンブとカリフラワーのダルの2種。そのどちらも味わえ、さらにはワダとドリンクもつく「Cランチ」1,800円をいただきました。

「Cランチ」

プリコロンブはタマリンドの酸味が印象的な南インド料理。現地の家庭で日常的に食べられているものであり、インド家庭料理というお店のコンセプトに合ったカレーです。アミカルの料理はパンチのある料理が多いのですが、こちらもしっかりとスパイシー。だからこそ海老の味わいが優しく、プリッと弾けるような食感もたまりません。

一方カリフラワーのダルは優しく滋味深い味わいで、両方をポロポロとした食感が印象的なポンニライスにかけて混ぜて食べると、また新たなおいしさが生まれました。

(写真左から)カリフラワーのダル、エビのプリコロンブ

副菜はキーライマシヤル(ほうれん草の料理)とさつまいものポリヤル。どちらも素材の味を活かした仕上がり。

キーライマシヤル(写真手前)、さつまいものポリヤル(写真奥)

そして特筆すべきはワダ(南インドの甘くないドーナツ)のふわっふわな食感! ココナッツチャトニにつけて食べるも良し、カレーをつけて食べるも良しの絶品。副菜もそれぞれ死角のないおいしさです。

ココナッツチャトニ(写真左)とワダ(写真右)

食後にホットチャイも。刺激的な料理で高まったテンションを穏やかにしてくれる優しい甘み。満足度もさらに上がります。

「ホットチャイ」

やはりこちらのお店は何を食べてもおいしいです。シェフの腕の確かさを再確認しました。土日にはベジミールスを用意し、1月からはディナー営業もスタートさせ、お酒に合うドライなカレーも考えているとのことで、今後もさらに楽しみなお店。

2024年には話題となること間違いなしの新名店。人気が出すぎる前に食べに行くことをおすすめします。

※価格はすべて税込

撮影:カレーおじさん

文:カレーおじさん、食べログマガジン編集部