【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレーとスパイス#144】「スパーブ タイモダンカフェ」
八丁堀にあった「スパーブ タイモダンカフェ」が、水天宮前駅から徒歩5分ほどの場所に移転しました。八丁堀時代は小さなお店で、食事メニューもあったものの種類が少なかったのですが、新しいお店は倍以上の広さとなりメニューも増えました。
タイモダンカフェのモダンという言葉は料理界において新しい料理を意味し、味付けや盛り付けなどに工夫のあるスタイルのこと。イノベーティブフュージョン的に他のジャンルと融合させた料理もあるのですが、こちらのお店のモダンはもっと気軽な雰囲気。カフェとしてのちょっとしたモダン感、創作料理感があるというイメージで行くとちょうど良いかと思います。
そんなわけでメニューにはタイ料理定番のグリーンカレーやパッタイなどもあるのですが、その中で一際異彩を放っていたのが今回いただいた「ゲーンソム焼うどんスリラチャソース炒め」1,280円です。
ゲーンソムとはタイサワーカレーとも呼ばれる酸っぱ辛いテイストが印象的なタイカレー。また、スリラチャソースとはシラチャーソースとも呼ばれるソースで、ゲーンソムと同様に酸味と辛みが特徴。それの焼きうどんというのは全く想像がつきません。
出てきたものを見るとゲーンソム的にオレンジがかった色味の焼きうどんにシラチャーソースがかけられています。ゲーンソムは魚を使うことが多いのですが、こちらの具は豚肉。そして海苔が2枚添えられているのもどういうことなのだろうと食べてみると、真っ先に浮かんだのは豚キムチ。ゲーンソムという以上に豚キムチに近いテイストなのです。だからこそ海苔も合うわけです。
豚キムチと違うのは、ほのかな甘みを感じること。この辺りが酸味、辛み、甘みが特徴のタイ料理らしさと言えましょう。わかりやすく言い換えるなら、タイサワーカレー風豚キムチ焼きうどんでしょうか。これは他には無い面白さです。
サイドメニューから「タイ式牛すじ煮込み」680円(小鉢サイズ)も頼んだのですが、こちらはタイ料理のヌアトゥンに一工夫加えたものでした。オーセンティックなヌアトゥンに辛味ペーストを加え、好みで混ぜながら食べるというもの。ヌアトゥン自体が八角などのスパイスによる甘やかな香りがある煮込み料理なので、酸っぱ辛い焼きうどんと合わせると全く違うベクトルとなり食べ飽きることなく完食。
食後にはタイのドラマに登場し話題となった「ピンクミルク」600円をホットで。サラというタイの果物をシロップにした「サラシロップ」を使用した優しい甘さはいちごミルクにも似ていますが、それともまた少し違うテイストなのが面白く、見栄えも良いです。
店内も明るく、既にかなりの人気の様子。このエリアは意外と飲食店が少ない中で、こちらのように個性的なタイモダンカフェができたのは喜ばしいこと。個性的なタイ料理を求めている方や、近場でゆっくりできるカフェを探している方にぴったりのお店です。
※価格はすべて税込