【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレーとスパイス#139】「LION ET LAPIN (リオネラパン)」

牛込神楽坂駅近くの住宅地エリアに面白いお店が誕生しました。その名は「LION ET LAPIN」。

フランス語で「ライオンと兎」という意味ですが、こちらのオーナーとシェフが幼なじみで、お二人とも獅子座の卯年生まれなことからつけられた店名です。このお店の何が面白いのかというと、フレンチとネパールのハイブリッド的なカレーが味わえるということ。

ランチタイムは今のところ「カレーチキン」1,500円一本勝負。箱根のオーベルジュで修業した日本人シェフと、ネパール人コックが手を組んでできた傑作カレーです。

「カレーチキン」

カレーはネパールのスパイス使いに、メインの具材としてチキンの香草焼きが加わり、隠し味にバターも使ってフレンチ感もあるのです。クローブなどが香るグレイビーは程よく刺激的で同時に奥深く、他にありそうで無い個性的なテイスト。一口食べるとスプーンが止まらなくなるようなクセになるおいしさです。

ご飯とパンがつくのですが、ご飯はだし生姜ご飯で風味が良く、パンも自家製の全粒粉パンでこちらもやはり風味が良く、どちらもカレーと合わさると相乗効果が生まれて香り高い一皿となります。

「サラダ」

ランチの「サラダ」500円も手が込んだ逸品。フレッシュな季節野菜にエスプーマととうもろこしのソースを忍ばせ、食べていくうちに混ざっていくのが楽しいです。添え物のサラダというわけではなく、これだけで一つの料理としての満足感を得られます。

ディナータイムはコース(予約制)もアラカルトも楽しめます。

「モモ」

「モモ」900円は、カレー好きにはおなじみのネパールの小籠包的な料理なのですが、中のあんには鴨肉を、生地にはシコクビエを使用し、ゴルベラコアチャール(ネパールのトマトソース)にもパプリカやアーモンドを使い、スペインのロメスコソース的なニュアンスも感じさせる個性があります。

また、だしとコンソメを合わせたオリジナルのおでんやしゃぶしゃぶのコース、さまざまなカレーを楽しめるカレーコースもあります。

カレーコースの「赤ワイン煮込みのビーフカレー」

カレーコースには「赤ワイン煮込みのビーフカレー」「黒ビール煮込みのラムカレー」「レッドカレー仕立てのシーフードカレー」にお店の看板メニューである「カレーチキン」も加わり、他に前菜やサラダなど品数も多いのでおなかいっぱいになるのですが、味のベクトルが違うので最後までおいしくいただけるという、カレー好きにはたまらないコースでした。

カレーコースの「レッドカレー仕立てのシーフードカレー」
カレーコースの「黒ビール煮込みのラムカレー」

今後ランチでもチキンの他にカレーコースに含まれるカレーを出していく予定とのことですが、他の料理も軒並みおいしいのでコースでいただく価値が多い大いにあります。

まだあまり知られていないので入りやすい穴場的存在ですが、このクオリティなら人気が出ていくのは間違いなしです。今のうちに行っておくべき隠れた名店ですよ!

※価格はすべて税込

写真・取材:カレーおじさん\(^o^)/

文:カレーおじさん\(^o^)/、食べログマガジン編集部