【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレーとスパイス#138】「堕楽暮(だらくれ)」

料理においてもシェフのキャラクターにおいても個性が強い大阪カレー界の中でも特に際立った個性を放ち、間借りカレー文化を牽引してきた「堕天使かっきー」が、遂に自身のお店を松虫駅前にオープンさせました。その名も「堕楽暮(だらくれ)」。

全国各地で積極的に間借り営業、イベント出店、コラボ営業を重ねていく中で出合ったさまざまな料理、食材、酒などのエキスパートたちと交流を深め、知識と経験を得て進化し続ける堕天使かっきーが「自分の店を持ったからこそできることが増えました」と楽しそうに語っていたのが印象的。その言葉の通り個性的すぎる料理の数々を堪能してきました。

「本日のカレー」

まずは「本日のカレー」900円。カレーは間借りカレー活動をスタートさせた頃に出していたという「鯛出汁×鶏キーマカレー」をベースに、ご飯や副菜が日によって替わるというもの。この日はツブ貝のハイビスカス炊き込み飯にビーツとマイクロキュウリの白和えバニラ油の香、万願寺唐辛子と四角豆のビキーニョ炒めがのり、相変わらずの情報量の多さ。

「イリコ出汁×松茸のカレー」

トッピングに「イリコ出汁×松茸のカレー」300円も追加してさらに情報を加えることにしたのですが、堕天使かっきーの凄さは毎度情報量がとんでもなく多いにもかかわらず、食べてみるとそれがうるさくなく上品に調和しているところ。ご本人がいつも元気よくわいわいとイベントを盛り上げていることから料理にもそれを想像しがちなのですが、まるで違うギャップにやられます。

鶏キーマはひね鶏や軟骨も含めさまざまな鶏肉を合わせて使用しているからこその多層的なうまみ。鯛だしと合わさってダブルスープ的な深みも加わります。

松茸のカレーも予想以上に松茸の風味を感じ、季節感も見事に表現。素晴らしいです。

こちらのお店、昼はカレーとデザート、夜はスパイス料理をアテにお酒を飲むというスタイルなのでアテもいくつか。

「天然ブリ ヒハツ醤油ヅケ」

「天然ブリ ヒハツ醤油ヅケ」500円のヒハツとは沖縄地方ではヒバーチなどとも呼ばれる胡椒の仲間。フルーティな香りと胡椒の刺激が印象的なスパイスで、これが天然ブリのおいしさを引き立てます。

「ヅケの醤油もそうなんですが、オリジナルで調味料に手を加えて料理に使うのも自分の店だからできるようになったことなんです」と語ってくれたように、間借りやイベントでは不可能な、時間をかけた料理や調味料がメニューに加わっています。

「豚タンの中華風カカオ煮込み」

「豚タンの中華風カカオ煮込み」800円はカカオをスパイスとして使用したもの。やわらかい豚タンにカカオの甘やかな苦みが加わってとにかく深い味わい。中華的なわかりやすい味付けに重厚感を加えます。

デザートはここ数年堕天使かっきーのイベントにコラボで参加している「小麦のレ」によるもの。アテ菓子とメニューにある通り、お酒のつまみにもなるようなお菓子です。

「ナツメグ香るかぼちゃプリン」

「ナツメグ香るかぼちゃプリン」500円には焼酎も隠し味に使われていて、かぼちゃの甘みの奥にあるスパイスの香りと焼酎の風味で他にはない仕上がり。

他のデザートもとにかく個性的。昼にはデザートとして、夜にはお酒のアテとしても楽しめる新感覚スイーツです。

お酒やコーヒーにもこだわりがあり、全国の専門家から仕入れたものが色々。ひとつひとつの料理や飲み物にストーリーがあり、それを丁寧に説明してくれるので勉強にもなります。

言うならば「大衆ガストロノミー」。松虫ののんびりとした雰囲気の中で、文化としての料理を大衆的価格で楽しめるという奇跡的なお店。

今後も堕天使かっきーとして各地でコラボやイベント営業を続けるとのことなので、そこでまた進化した料理を堕楽暮という根城でゆっくりと楽しむことができるのは、ファンにとっても喜ばしいことなのです。

※価格はすべて税込

写真・取材:カレーおじさん\(^o^)/

文:カレーおじさん\(^o^)/、食べログマガジン編集部