【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレーとスパイス#136】「ニルワナム 神谷町店」

今年の東京カレーシーンを振り返ってみると、南インド料理店の新店舗が増えていることと、日本の南インド料理界を牽引してきたとも言える名店の移転が増えていることを感じます。今回ご紹介する「ニルワナム」は、都内でもまだ南インド料理の専門店が数えるほどしか無かった2005年に神谷町でお店をスタートし、ランチビュッフェのクオリティの高さで人気となり、首都圏に店舗数を増やし続けてきたお店です。

食べログにおいても「食べログ アジア・エスニック TOKYO 百名店」「食べログ ベストレストラン」など受賞歴も多数であり、ご存じの方も多いかと思うのですが、そんなニルワナムの1号店である神谷町のお店がビルの取り壊しにともなってすぐ近くに移転しました。

先述したようにニルワナムといえばランチビュッフェが有名なのですが、ディナータイムも素晴らしいということが意外と知られていないというか、夜の料理について語られることが少ないと感じているので、今回は夜に訪問して色々と食べてきました。

まずはドーサから。ドーサメニューも充実で定番のマサラドーサをはじめラヴァドーサやセットドーサなどもあるのですが、今回は「キャロットドーサ」1,200円を。ドーサに細かくカットされた人参がたっぷりとのっています。

「キャロットドーサ」

特筆すべきは添えられたチャトニのクオリティの高さ。ココナッツチャトニとトマトチャトニなのですが、どちらも出色のおいしさ。量もたっぷりとあるので遠慮なくドーサに塗って食べるのが良いでしょう。このチャトニだけでドーサ1枚ずつ食べることができそうなくらいです。

「チキンチェティナドゥドライ」

続いて「チキンチェティナドゥドライ」1,000円。チェティナードチキンというとグレイビータイプのカレーを思い浮かべる方も多いかと思いますが、こちらはそのドライなタイプ。ココナッツの甘み、唐辛子の辛み、そしてカレーリーフの爽やかさが三位一体となっており、お酒のつまみにもなりそうですし、カレーやドーサに加えるもう一品のおかずとしても機能します。

「アンドラマトンカレー」と「ケララポロッタ」

メインは「アンドラマトンカレー」1,500円に「ケララポロッタ」300円を合わせて。カレーの見た目が白いので辛くなさそうですが、実は青唐辛子がしっかりと利いていて爽やかな辛さ。マトンのうまみがココナッツ感溢れるグレイビーに溶け出し、何とも言えない奥深さです。

ポロッタはパリッと焼かれた部分が多く、味付けも油感も控えめなので主食としてちょうど良い仕上がり。

一口に南インド料理と言ってもさまざまな地方の料理があるのですが、今回ご紹介したメニューだけでも、アーンドラプラデシュ、タミルナードゥ(チェティナード)、ケーララと、さまざまな地方の料理を味わうことができました。これはニルワナムが人気店かつ何店舗も展開しているが故にシェフの数も多く、それぞれの地方の料理を得意とするシェフがそれぞれいるからこそでしょう。

人気でお得なランチビュッフェに行くのも良いですし、ディナーでゆっくりとさまざまな地方の料理を食べ比べるのもまた楽しいもの。南インド料理がまた盛り上がってきている今だからこそ、再注目、再確認しておきたいお店です。

※価格はすべて税込

写真・取材:カレーおじさん\(^o^)/

文:カレーおじさん\(^o^)/、食べログマガジン編集部