食べログ グルメ著名人」で渋谷区初のCEO(Chief Eat Officer)を務める小宮山雄飛さんに、東京の“料理がおいしい酒場”を教えてもらう連載。第23回は、清澄白河の名居酒屋「だるま」のおいしいポイントを教えてもらいます。

【東京メシうま酒場 vol.23】「だるま」

清澄白河の居酒屋「だるま」といえば、東京の酒場好きで知らぬ者はいないというほどの名店。僕も何度となく伺っていますが、コロナもあってちょっとご無沙汰していたので、久しぶりにお邪魔しました。

店内入って右側にテーブル、左側に小上がり、そして奥には名物のコの字カウンター。そこまで広くないお店の中に、居酒屋の3種の席スタイルがすべて揃っているのがだるまの良いところ。

その日の気分や人数構成で、テーブル・小上がり・カウンターの好きな場所を選べるのがうれしいです。

そしてだるま名物といえば、なんといっても壁一面に貼られた短冊メニュー。メニューの多さは、酒場としてだけでなく、近所の人たちの台所の役割も果たす、下町の居酒屋ならではの光景です。

「マグロぶつ」550円

まず頼んだのは、下町酒場のツマミの定番「マグロぶつ」。 赤身と、脂ののったトロの部位がバランス良く盛ってあって、これがめちゃくちゃおいしい! シンプルな素材勝負だからこそ、マグロぶつのおいしいお店は、何を食べてもハズレ無しです!

「ポパイベーコン」410円

炒め物のおすすめは「ポパイベーコン」。こちらもシンプルな料理ですが、肉・野菜・卵のバランスが良く、彩りもGOOD! こういうおつまみを一品頼むと、飽きることなく、ちびちびとお酒を楽しめるのです。

「バッファローウィング」450円

長い歴史を誇るだるまですが、実は先代のご主人と女将さんが高齢のため、新しいオーナーにお店を譲ったそう。そこで加わった新しいメニューもちらほら。

中でも気になったのが「バッファローウィング」。何を隠そう僕はバッファローチキンウィングが大大大好物なのです! 大好きなお店に大好きなメニューが加わったのですから頼まないわけにはいきません!

すっぱ辛い手羽先にブルーチーズソースがかかり、これはお酒に絶対合うやつです! 洋風のつまみなので、お酒は自家製のサングリアを注文。型にはまらず好きなつまみと好きなお酒を自由に楽しめるのが、下町の居酒屋の懐が深いところ。

「赤玉パンチ」426円

そして次の料理に向けて、下町らしい「赤玉パンチ」を注文。ちょっと毒々しいぐらいの赤い色が下町の酒場だと不思議としっくりくるのです。

「焼きビーフン」534円

〆はこちらもお店の名物「焼ビーフン」。

焼きそばに焼きうどん、おにぎりも各種揃う中で、あえての焼きビーフンが〆にもツマミにもなって良いのです。具だくさんでお酒にも合う!

おすすめの食べ方は、タバスコをもらってたっぷりかける!

ビーフンにタバスコ、飲むのは赤玉パンチ、このごちゃ混ぜ感が楽しいのです。お客さんがみんな、自分ちの台所で飲んでいるかのようにくつろいでいる最高な空間です!

ちなみに私事ですが、以前こちらのお店を紹介した自著「新酒場入門」(マイナビブックス刊)をお店の壁に貼ってくれていたので、行く人はぜひチェックしてみてね!

お店を継いだ新しい店長は若手の女性。先代のオーナーもちょくちょく様子を見に顔を出しているそうで、下町の名店がしっかり次の世代に受け継がれているのはうれしい限り。これからも素敵な酒場文化を未来の世代へと残していってください。

※価格はすべて税込

撮影:GENIUS AT WORK

取材:小宮山雄飛

文:小宮山雄飛、食べログマガジン編集部