食べログ グルメ著名人」で渋谷区初のCEO(Chief Eat Officer)を務める小宮山雄飛さんに、東京の“料理がおいしい酒場”を教えてもらう連載。第21回は、恵比寿にあるお米がメインの和食店「米福」のおいしいポイントを教えてもらいます。

【東京メシうま酒場 vol.21】「米福」

恵比寿にあるお米をメインにしたお料理屋さん、その名も「米福」。店頭ののれんにも米俵! 日本人なら誰もがうれしい、お米のおいしいお店のようです。

カウンターとテーブル席のシックな店内。

この日は「お昼のコース」2,800円(税込)を注文。まずは土鍋で炊いてくれるご飯を5種類の中から選びます。今回はもっちり系の「飯野さんのミルキークイーン」を選択。

注文を受けてから1人前ずつ土鍋で炊くので、炊き上がりまで30分ほどかかります。その待ち時間においしい料理を楽しむというのがこちらのお店の流れ。

本日の前菜は湯葉。ぎりぎり湯葉として成り立っているというくらい、トロットロの優しい食感が絶妙。メインのご飯に向けて、じんわりと胃を開いていくのに最適です。

続いて取材日のお刺身は本鮪と平目。どちらも脂がのり過ぎず、さっぱりとした味わいで、やはりご飯の前にぴったり。

「笑四季(エミシキ)センセーション」

ご飯に合うものはお酒にも合うはず!という言い訳を用意して、お昼からお酒を注文。

滋賀のお酒「笑四季センセーション」。みずみずしくも味わいがしっかりしていて、冷でいただくと、グビグビといくらでも入ってしまいそうです。

続いて、こちらのお店の名物。お米を使ったスープ。この日は、お米ととうもろこしの冷製スープ。とうもろこしの甘みと、おかゆのような滑らかさが特徴で、暑い夏にぴったりの冷製スープ。

ここまでの3品は、炊き立てのご飯を味わうための前菜的な意味合いで、いずれも優しいお味ですんなりと身体になじんでいく感じ。ということで、おなかも準備万端整ったところで、いよいよメインのお米の登場です!

来たー!

特製の萬古焼の土鍋で炊き立てのご飯。蓋を開けると、湯気と共にふわーっとお米の香りが舞い上がってきます。お米の一粒一粒が立っていて、見るからにおいしそう!

ご飯のおかずは「やっぱりお魚にしようかな〜……」と思いつつも、ガッツリとご飯を食べたい人に人気という豚肉の生姜焼きを選択。

醤油の香ばしい香りが、そりゃー絶対お米に合うっしょ! 間違いないやつです。

ご飯、みそ汁、生姜焼き、香の物。

これです、これ! もっちりとしたミルキークイーンに生姜焼きの肉の旨みが合う!

お肉→ご飯→みそ汁→ご飯→漬物→ご飯

無限のご飯ループが続きますが、1人前1合炊いてくれているので、しっかりおかわりもできます。やっぱり、おいしいご飯を思いっきり食べられるって、日本人はDNAレベルで上がります!

さらに、ご飯のお供の追加注文も可能!

いくら醤油漬け・海苔の佃煮・じゃこ山椒の、その名も「お供三種盛り」は、これまたどう考えてもご飯が進む強力なお供です。

三種盛りを少しずつご飯の上に盛り付けて、ミニお供丼(おともどん)の完成!

プチプチのいくら、ねっとりとした佃煮、ピリッと山椒が利いたじゃこ。これぞ至福のご飯!

あ、お米で幸福を感じるから店名が「米福」なのか!? とにかく大満足でごちそう様!

ということで、実においしいご飯ですが、1合はちょっと多い……という人もご安心を。残ったお米は持ち帰り用に塩むすびにしてくれます! お米一粒まで無駄にしないのが日本人の基本。

おいしく食べて、身体も心も大満足。お米がおいしい和食の名店です。

撮影:GENIUS AT WORK

取材:小宮山雄飛

文:小宮山雄飛、食べログマガジン編集部