【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレーとスパイス#134】「アンコールワット」

インドのみならずパキスタン、スリランカ、ネパール、バングラデシュと、カレー文化圏各国の現地料理を出すお店はここ数年で非常に増えました。東南アジアを見てもほぼ同様なのですが、カンボジア料理となるとまだまだ全国的にあまり見かけることもない存在です。

そんなカンボジア料理を1982年から代々木の地で提供していた老舗「アンコールワット」が、新宿マインズタワー地下の飲食店街に移転オープンしました。

代々木のお店はカンボジア現地を思わせる雰囲気の良さだったのですが、移転後はより洗練された空間の中にカンボジアの要素も宿しているというようなイメージ。

開放感もあり、場所的にも入りやすいので一人客でも心配はいりません。

ランチメニューはクィティウをメインにチキンカレーや各種定食など色々とあるのですが、色々といいとこ取りな「ランチセットA」1,480円をオーダー。

「ランチセットA」

お盆に五目クィティウ、チキンココナッツカレー、ライス、スパイシーチキンサラダ、カボチャケーキがのる豪華ランチなのですが、まずスパイシーチキンサラダが良いです。

ランチのサラダは手抜きしているお店も少なくない中、こちらは程よい酸味と辛みのほぐしチキンがのっていて食べ応えもあり、味的にも個性があります。

カレーはココナッツベースで優しい甘さ。辛さは控えめで食べやすく、カンボジアカレーの特徴であるさつまいもが具として入っているのでベクトルの違う甘みも感じます。甘いと言っても甘すぎるわけではなく、万人受けしそうなバランスの良さと言えるでしょう。

クィティウとは東南アジアや台湾などでよく見られるライスヌードル。シンプルで上品なチキンスープに入った野菜と麺。五目というだけあって鶏肉や海老も入っています。

派手さは無いのですがじわじわとおいしさが蓄積していくタイプ。味が足りないと感じたら、あるいは変化を出したい場合は卓上の調味料で調節可能。

カボチャケーキはカボチャの種の部分をくり抜いた空洞にプリンのようなものが入ったデザート。程よい甘さに癒やされます。

全部食べればお腹もいっぱい。カンボジア料理に馴染みのない方にも、1人で色々と試せるこちらのランチは入門編として最適と言えるでしょう。ディナータイムには海老や蟹爪のカレー炒めなどもありますし、その他よりディープなカンボジア料理の世界を味わえます。

まずは1人でランチから。気に入ったら仲間とディナーであれこれ楽しんでみてほしいお店。場所も駅直結で便利ですし、ここからカンボジア料理のファンが増えていくと良いなと思います。

※価格は税込

写真・取材:カレーおじさん\(^o^)/

文:カレーおじさん\(^o^)/、食べログマガジン編集部