丁寧になされた江戸前寿司は宝石のごとし⁉︎
写真は、握りばかり12貫と巻物からなる9,350円の「弁天山」。ヅケ、昆布締め、煮魚、ツメで食べるもの……江戸前の魅力を堪能できる内容となっている。
武智さん
カウンター席に座り、内田さんの手の中で握りが完成していく様子をまずはじっくりと眺めてみてください。ネタにワサビをちょいと塗り、シャリと合わせてキュ、キュキュ、キュッ。リズムよく形作られていく握りは、頬張るのが躊躇われる美しさ。とはいえ、実においしそうで、伸ばす手を止めることができません。そして旨みを引き出された、あるいは加味されたネタたちと、米酢で仕上げたシャリが口の中で絶妙に絡み合い……生のネタで作る握りももちろんおいしいのですが、ここでしか味わえない握りには、伝統や心意気といった奥深さも感じられ、しばし陶然となってしまうはずです。
寿司が好き!という方、江戸時代から守られる技法、手法で握られるこちらの寿司は必食だ。生寿司とは違うおいしさを味わいつつ、どのように寿司が進化してきたのか、なぜその仕事を施すのかを考え、尋ねるのも楽しい時間なのだ。仕入れた時よりもおいしくなあれと、握られた正当なる江戸前寿司が今も食べられる幸せに浸ってみては?
※価格はすべて税込