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食通が見いだした、今月の新店
新しいお店がどんどん出店し、ますますの盛り上がりを見せる飲食業界。「気になる店が多すぎてどこの店に行ったらいいかわからない!」という人も多いのではないでしょうか。
そこで、グルメ情報に精通している方々に、最近訪れた新店に関するアンケートを実施。特に注目している「今月の新店」について教えていただきました。
今回は、グルメジャーナリストの東龍さんにお答えいただきます。
教えてくれる人
東龍
1976年台湾生まれ。テレビ東京「TVチャンピオン」で2002年と2007年に優勝。ファインダイニングやホテルグルメを中心に、料理とスイーツ、お酒をこよなく愛する。炎上事件から美食やトレンド、食のあり方や飲食店の課題まで、独自の切り口で分かりやすい記事を執筆。審査員や講演、プロデュースやコンサルタントも多数。
今月のベストワン
Q. 直近で行った新店の中で、特におすすめしたいお店を教えてください
A. 「鮨 大矢」です
ミシュランガイドで三つ星を11年連続で獲得し続ける銀座の名店「鮨よしたけ」で長年修業した大矢庸二さんが独立してオープンした寿司店です。神楽坂という美食の地で、究極の寿司を実現するために、ネタの選定から仕入れまで徹底的にこだわっています。海外勤務が豊富で、訪日外国人の対応も万全なのも特筆すべきところ。優雅な空間で、入口からのアプローチが長いので期待感が高まり、広々としたカウンターに圧倒されます。
Q. 「鮨 大矢」でおすすめしたいメニューを教えてください
A. 「おまかせコース」(33,000円)です
酢の利いたシャリが印象的な握りはもちろんのこと、つまみも出色で創意工夫されているのが素晴らしいです。蓮の葉のプレゼンテーションがダイナミックな葛素麺は、柑橘ソルベと合わせるという意欲作。爽やかな酸味と清涼感にあふれていて、最初にぴったりな一品。鮑はしっとりとやわらかく、妙妙たる味わいの肝のソースが秀逸です。鮑を食べ終えると、シャリを入れてもらえます。シェルスプーンでよく混ぜていただくと、シャリの酸味によって肝のうまみがくっきりと浮かび上がります。握りでは、ちょうどよい温度で口の中でとろける中トロ、バフンウニとムラサキウニのどちらとものせた軍艦が白眉。ソムリエがいて、日本酒はもちろん、ワインも豊富なのがうれしいです。