【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレーとスパイス#164】「すぱいし家 飯田橋店」

ここのところカレー関係の新店舗、注目店が増えてきている飯田橋ですが、また新たに注目すべき期待の新店舗ができました。2024年3月19日に開店した「すぱいし家 飯田橋店」です。

2024年3月19日にオープンした「すぱいし家 飯田橋店」

こちらはインド・パキスタン料理のチェーン店で有名な「シディーク」に長年勤め、本部長も務めた日本人と、インドはバンガロールの「シェラトン」で10年、日本でも「ボルツ・タージマハール」(現在は閉店)をはじめさまざまなお店で25年もの間腕を振るってきたベテランインド人シェフのタッグという、とてつもない経歴のお店なのです。

壁のタイルとイラストのデザインが可愛らしい雰囲気の店内

僕自身は何も知らずに食べに行ったのですが、注文した料理のすべてがおいしいことに驚き、お話を聞いてみたら上記の通りで納得したというわけでした。

取材日のメニュー

ランチはわかりやすくカレーとナンのセットやビリヤニ。ディナーはおつまみとして食べられるインド料理と、独自にアレンジしたスパイス料理の数々を食べることができます。

「ゴマとコリアンダーのポテサラ」

まずは「ゴマとコリアンダーのポテサラ」630円から。シェフ自身が大好きな食材だというゴマを使ったサラダ。シンプルでありながらコリアンダーの香りが良く、ポテトの火入れも絶妙で、いきなり腕の良さを感じました。

「特製やわらかポークのグリル煮」

続いてお店のおすすめメニューである「特製やわらかポークのグリル煮」850円を。しっかりと表面を焼いてからじっくり煮込み、コリアンダーなどのスパイスが弾けるインド風角煮とでも呼べそうな一品。

「牛カルビのインディアングリル」

「牛カルビのインディアングリル」740円はタンドリーチキンの味付けで牛カルビを焼いたもの。これもお酒が進む味であり、ご飯と一緒に食べても満足できるおかずでした。豚にしろ牛にしろインドではなかなか食べられない食材を、しっかりとインドの味付けで出してくれるお店は他になかなかありません。このあたりは長年インド料理に携わってきた日本人と、長年日本で腕を振るってきたインド人シェフのタッグならでは。

「ボンベイチキンビリヤニ」と「別皿ミニカレー鯖」

〆に「ボンベイチキンビリヤニ」1,380円にトッピングで「別皿ミニカレー鯖」480円と「マサラたまご」200円もつけて。

ある程度火を入れてから、最終的にバナナリーフで包んでさらに火を入れて仕上げるという手間のかかるビリヤニは、だからこその香りの良さを感じます。

ライタをかけて味変を楽しむ

ライタもつくのでそれをかけて食べてみたり、好きな別皿カレーを選んでかけてみたりするのも日本だからこそできる楽しみ方。

「もっとインド料理は自由で良いと思うんです」とは、すぱいし家オーナー田渕さんの言葉ですが、まさにその通り。

「ラムコーク」

ビリヤニにはコーラだろうということでオールドモンクの「ラムコーク」580円を合わせていただきましたが、期待通り最高の相性。

タイ料理など他のアジア料理に比べてインド料理店は夜の時間帯が弱いといわれていますが、お酒とインド料理の相性の良さを知らない人がまだまだ多いからでしょう。田渕さんは「きっと箸で食べることができるか、できないかの差だと思うんです。箸で食べることができる他のアジア料理はお酒と一緒に楽しむ方も多いですが、インド料理はそうではない。だからうちでは箸で食べることができる自由なインド料理を目指して、お酒との相性の良さをもっと多くの方に知ってほしいです」と語ってくれました。

確かに一理あるなと感じます。箸で軽く食べられるインド料理。今回いただいた豚の料理や牛の料理ではまさにそれを感じます。

時にオーセンティックに、時に自由に。変幻自在のインド料理を楽しませてくれる期待の新店舗。インド料理好きはもちろん、お酒好きな方も是非行ってみてください。

※価格はすべて税込

撮影:カレーおじさん

文:カレーおじさん、食べログマガジン編集部