重ねられていく、一つひとつの丁寧な作業から目が離せない

自家製麺に国産小麦を使うのは、小麦の風味を大切にしているからだ。つけ蕎麦の麺は、はるゆたかをはじめ3種類の国産小麦をブレンド。もちっとした食感やかみしめた時に広がる小麦らしい香り、ほどよいのどごしを重視したという。

黄色みの強い色合いと強い風味が良質な小麦を感じさせる

そのためにかんすいを極力減らし、加水率や打つ時の圧力のかけ方など、微調整を繰り返して理想の麺を作り上げた。麺のゆで時間はおよそ2分40秒〜3分10秒の間だ。その日の気温や湿度など環境によっても秒単位で細かく調整しているという。

早く均一にゆでるため、1人前を2つに分けて麺をゆでるのも特徴だ
素早く、慣れた手つきでしっかりと流水で冷やす
締めた麺を丁寧に皿に盛る神谷さん
 

山本さん

はるゆたか、もち姫使用の自家製麺。つるっと食べられます。

つけ蕎麦の具は、チャーシューと煮卵のみ。とてもシンプルだが、すべてに丁寧な調理法を施し、最大限のおいしさを引き出している。
豚ロースを丸ごと使ったチャーシューは、低温調理でしっとりとした食感に仕上げた。さらにスライサーでごく薄く切ることで生ハムのような滑らかな食感を生みだしている。吊るし焼きにした豚バラ肉はガツンと味わえるように厚切り。異なる2つのチャーシューとつけ蕎麦との相性の違いを楽しみながら味わってみたい。

スライサーを使い、絶妙な厚さにスライスしていく
低温調理の豚ロースのチャーシュー
吊るし焼き豚バラチャーシューは厚切りで
丁寧に自慢のスープを器に注ぐ。しじみの香りに包まれる

つけ汁は「宍道湖しじみ中華蕎麦 琥珀」のトレードマークである、島根県・宍道湖のしじみの濃厚な出汁がメイン。ただし、中華蕎麦のスープとは別に炊いた出汁を使うそうで、鶏出汁や少量の昆布や魚介を加え、つけ蕎麦に合うようにより厚みのある味わいを完成させている。