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【2017年の感動レストラン】 フードライター 小松宏子編
今年も残すところ、あとわずか。2017年も多くの新店が誕生し、食のトレンド情報が飛び交いました。そこで、最新グルメ情報を熟知した食べログマガジンの執筆陣に、今年一番印象に残ったレストランについて質問!
今回は、「運命の食材」連載の執筆をはじめ、地方取材も多く手がけ日本の美食に精通しているフードライターの小松宏子さんにご回答いただきました。
◇プロフィール
小松宏子
祖母が料理研究家の家庭に生まれる。広告代理店勤務を経て、フードジャーナリストとして活動。各国の料理から食材や器まで、“食”まわりの記事を執筆している。料理書の編集や執筆も多く手がけ、『茶懐石に学ぶ日日の料理』(後藤加寿子著・文化出版局)では仏グルマン料理本大賞「特別文化遺産賞」、第2回辻静雄食文化賞受賞。
Q 2017年一番印象に残ったレストランはどこですか?
A 「美加登家(島根・高津川)」です。
落鮎の時期に訪れたのですが、大変に貴重な子持ち鮎の、完璧な状態のものを揃えた渾身の椀。その椀のすばらしさに圧倒されました。そのほか、この時期ならではの名物の香醤焼き(うるかを塗って、炉であぶり焼きに)も素晴らしい。
ご主人の、自然にあらがうことなく、自然の恵みそのものである鮎を尊重し、料理として最大限に高めようとする、真摯な姿勢に心打たれました。
Q もう一度食べたい一皿は?
A 「ペレグリーノ」 生ハム(クラテッロ ディ ジベッロ)です。
クオリティ、極限までの薄さのスライス、食べさせ方の順番など、すべて考えつくされた、唯一無二の生ハムのプレゼンテーション。
Q 2018年、行きたいレストランはどこですか?
A 「チウネ」です。
シンプルな中の究極の美味ともいわれていますし、コスパに対する厳しめな意見を聞いたりすることも。自分はそのどちらと思うのか、確かめてみなければと。去年、一度予約をしたのに行けなくなってしまったということもあってリベンジを。
Q 2018年、気になるフードトレンドは?
A 天ぷらと“だし”です。
名古屋から「くすのき」も東京へ進出とのことで、静岡の「成生」に始まった天ぷらレヴォリューションが更なる注目を集めるのではと、思います。
また、和洋問わず、さまざまな旨みを抽出した“だし”の存在がもっと注目されていくでしょう。卓上での“だし”注ぎパフォーマンスはグローバルスタンダードに。