「食べログ グルメ著名人」で渋谷区初のCEO(Chief Eat Officer)を務める小宮山雄飛さんに、東京の“料理がおいしい酒場”を教えてもらう連載! 第10回は、高田馬場にある人気居酒屋「酒肴 新屋敷」のおいしいポイントを教えてもらいます。
【東京メシうま酒場 vol.10】「酒肴 新屋敷」
アジフライがめちゃくちゃおいしい!と評判で、予約困難な高田馬場の人気店「酒肴 新屋敷」。 限定20食、連日売り切れのランチのアジフライ定食も魅力的ですが、こちらのお店の真の実力を味わえるのは、やっぱり夜! お腹を空かせて行ってきました。

夜の食事は7,000円のコースがあり、お酒も充実しています。
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2,500円で、ハイボール・サワー・ビール・日本酒・焼酎など、ほとんどのお酒が飲み放題に! 3,500円だと、さらにこだわりの日本酒4種も含め飲み放題。
今回は2,500円の飲み放題を加えて、1人9,500円。さあ、これから出てくる料理とお酒が全部で1万円以内ですよ。驚かないように心の準備を一つよろしく(笑)。
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この日のお刺身は、金目鯛・ボタンエビ・鯛の藁焼きの3点盛り。
鯛の藁焼きは、藁の香ばしい香りがついて、塩だけでもおいしい。さっそく日本酒が欲しくなります。
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癖のない「いっちょらい」はボタンエビとの相性ばっちり。フルーティーな「手取川」もスタートにぴったりです。
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そして、2品目にして名物のアジフライが登場。この献立にお店の自信と、居酒屋としての心意気を感じます。名物こそ、もったいぶらずに先に出す。それこそ庶民の味方、居酒屋の流儀です。
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もう見るからにサクサクとしていておいしそうなアジフライ。アジの水揚げ量日本一の長崎県松浦産のアジを使用。添えられた液体は店主が研究の末行き着いた「水塩」という、天然塩を最適な濃度で煮溶かしたお水。
通常の塩と違い、スプレーで振りかけることで均一に塩味を付けられるので、アジの風味をしっかり味わえるとのこと。調味料までめちゃめちゃ考え抜かれています。
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熱いうちにさっそく一口。なに、このおいしさ!!
身はふんわりしっとり、衣はサクサク。ものすごくエアリーな軽い食感なのですが、それでいてアジの身のおいしさはぎっしりと詰まっています。水塩のおかげで、身のおいしさと衣の香ばしさ、塩味がどれも均一で味わえるのも画期的です。
スタート2品目にしてもうすっかり満足! こういうプレゼンテーションをしてくれる居酒屋さんは、後はもう身を(胃を?)任せるだけです。すっかり興奮しながら3品目へ。
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アジフライの興奮そのままに次はカキフライ。
と、ここで更なる驚き! このカキフライが信じられないくらいおいしいのです(笑)。え、アジが主役だったんじゃないの!?
気仙沼の「ヤマヨ水産」から直送してもらっているというカキは、身がしっかりしていて、とにかく旨味がすごい。カキのおいしさはよく内臓部分のミルキーさで語られますが、このカキは、身の部分がまたしっかりとおいしいのです。
あえて生食用を絶妙な火加減で揚げているそうで、見事に生のうまさとフライのうまさのいいとこどりです。アジとカキ、どちらが好きというのは個人差があるでしょうが、名物のアジフライに匹敵するおいしさのカキフライです。
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おいしい海鮮にはやはりおいしい日本酒を、ということでお次は「會津 宮泉」。
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「ここから先は、ただの居酒屋メニューですよ(笑)」と店主の池田さんは笑って言いますが、ここからがまた秀逸なツマミのオンパレードなのです。
まずはタラの白子ポン酢。大ぶり、ぷりっぷりの白子とさっぱりしたポン酢の相性が抜群。下に敷かれたワカメがしっかりした歯応えで新鮮そのもの。随所にこだわりを感じます。
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蕗味噌は、ご主人が自分で採ってきた蕗を使用した自家製で、ほろ苦さが後をひきます。
氷魚とは鮎の稚魚のこと。淡白な味わいで、これも日本酒に合うツマミ。
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鰻をくるくると串に巻いた、くりから焼き。専門店顔負けのバランスの良いタレの味が絶妙。そしてうれしいのは奥に写る、一口分のご飯。
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そうです、くりから焼きをご飯の上にのせれば、即席のミニ鰻丼の出来上がり。
鰻の味に負けないお米は、なんとご主人が自分で種まきからしたもの。ご主人、一体どこまでこだわるんすか。
香ばしいくりから焼きと炊き立てのふっくらご飯が、合わないはずありません。
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さらに居酒屋さんでは珍しいメニューのお餅。柔らかいお餅と、だし・そぼろ肉との相性ばっちり!
はい、もう分かりますよね。こだわり派のご主人ですから、当然お餅も一から自家製です。もう好きなだけこだわってもらいましょう(笑)。
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そして締めは、なんとシンガポールの麺料理ラクサ。こういう遊び心もいいですよね。
それぞれサイズは小さいとはいえ、鰻+ご飯・お餅・麺と、最後はしっかりお腹を満たしてくれるのもうれしいです。
海老の風味も豊かなエスニックなラクサは、ここまでの和風居酒屋メニューとの落差(らくさ)を表しているのか!? (違いますね、すみません)
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さらにデザートはめちゃくちゃさっぱり、おいしいリンゴのシャーベット。これまた自家製だからこそのフレッシュ感溢れる味わいで、こんなに食べた後でもさらっといけます。
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これだけ食べて飲んで(実際はもっと飲んでます……笑)、1万円払ってお釣りがくるというのは、もはや奇跡。
名物のアジフライはもちろんですが、それ以外もまたどれもこだわり抜いた料理で、最初から最後まで大満足。皆さんもぜひお腹を空かせて行ってみてください!
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※価格はすべて税込