【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレーとスパイス#101】「新宿喫茶りこりす」
ここ数年はレトロブームが続いていて、僕が昔から通っていた古い喫茶店がいつの間にか大行列となっていることに出くわすこともあります。その雰囲気が若い人には逆に新鮮なのでしょうか。喫茶店は料理以上に空間を提供する場所という意味合いもあるので、既製品をベースにしたものや、業務用の料理をそのまま出すというお店も少なからずあります。それはそれで雰囲気とあいまって良い場合もあるのですが、正直もう少し頑張ってほしいと思うお店もあります。
しかし、今回ご紹介するのは、料理はすべて手作り手仕込みにこだわっているという珍しい喫茶店。新しいお店ですがレトロ感のある「新宿喫茶りこりす」です。
「ホテル たてしな」という昔ながらのビジネスホテルが、コロナ禍で1階の食堂部分を他に貸すことになり、そこに入ったのがこちらとのこと。古いホテルだからこそ、新しいお店でありながら歴史も感じる雰囲気。入口からしてどこか渋さを感じます。
こちらで腕をふるうシェフは若いのですが、和食の名店「懐食みちば」で修業を積んだ方。みちばと言えば往年のグルメファンなら誰もが知る和の鉄人、道場六三郎さんのお店。そこで研鑽を積んだシェフが作るさまざまな料理の中に、カレーも2種類あるのです。
「豆乳トマトカレー」800円は、豚の肩ロースやひよこ豆がたっぷり入ったカレー。
豆乳というと苦手な方もいるかもしれませんが、こちらのカレーは癖が無く食べやすい味であり、ハーブも使用していて個性も感じるので、マニアでも楽しめるカレーです。野菜も彩りよく、ランチだとスープとピクルスもついてこの価格はかなりお得。
そしてもう一つ「カレードリア」1,200円は豆乳トマトカレーとは全く違うカレー。ご飯の上に野菜とオールドスクールな洋食的カレーソースがのり、チーズとパン粉とオリーブオイルでとろりとした食感とサクサクした食感が共存します。喫茶店のカレードリアや焼きカレーに一工夫加えた、進化版と言える出来栄えで満足度が高いです。
また、和食出身シェフなので豚の生姜焼きなどの定食もあります。どちらも単品オーダーも可能ということで「秘伝の唐揚げ」600円も頼んでみると、こちらは醤油ベースにブラックペッパーが利いたタレに漬け込んだしっかり味。衣の粉も独自ブレンドでこだわりを感じ、食べてみれば周りはサクッと、中身はプリッとした食感で、噛めばジュワッと肉汁が広がるというクオリティの高い唐揚げでした。
喫茶店ですからコーヒーやデザートもあり、こちらのレベルもそれぞれ高いです。
昼はランチ、夕方はカフェタイム、夜にはバー営業となり、食事はランチとカフェがメイン。夜はチャージもかかるのですが、元々こちらは歌舞伎町にある会員制のバーの姉妹店。そちらのバーも非常に雰囲気が良いお店であり、だからこそこちらの雰囲気も良いのです。喫茶店としても、バーとしてもレベルが高いというわけです。
しかも最近では夜カレーもスタートし、基本は週替わりで昼とは違うカレーも味わえるとのこと。ちなみにこちらは数量限定なので無いこともあるので悪しからず。
新宿の中心エリアから少し離れているので他が混んでいてもこちらは席が空いていることが多く、新宿でゆっくりしたい時にもぴったり。何かと使い勝手が良く、手の込んだ料理を出してくれるお店ですから、チェックしておいて損はありません。
※価格はすべて税込