〈ニュースなランチ〉

毎日食べる「ランチ」にどれだけ情熱を注げるか。それが人生の幸福度を左右すると信じて疑わない、編集部員や食いしん坊ライターによるランチ連載。話題の新店から老舗まで、おすすめのデイリーランチをご紹介!

フードロスの発想から生まれた極旨の「らーめん」

美しい竹が目印

飯田橋駅から徒歩2分。昼時ともなれば近隣のオフィスからの人で一気に混雑するエリアに「山田の鰻」はあります。鹿児島で無投薬鰻の養殖業を営む会社が、東京でこのおいしさを伝えたいと、この店をオープンしました。でも毎日鰻を食べるという人はそう多くありません。より多くの人にまずは店を知ってもらおうとはじめたランチメニューがいきなりブレイクしたのです。

これが噂の「らーめん」

その一つが金曜と土曜のランチのみで提供される「らーめん」です。まさか鰻の店にラーメンがあるとは!と驚きましたが、鰻は使われるのがほとんど身の部分のみ、頭や骨は残ってしまいます。どうしたら無駄にしなくて済むかと考え、できたのがこの「らーめん」です。メニューは3種類。基本となるのはいわゆる単品の「梅」で、「鰻骨スープ」「謹製麺」「薬味」「漬卵黄」が入って900円。「梅」に「刻み鰻蒲焼」がプラスされ、「ご飯」がセットになった「竹」が1,300円。「竹」の「ご飯」の代わりに「ミニ鰻丼」が付く「松」が1,800円です。

極旨のスープ

まずはスープを一口。「うわっ、鰻!」と思わず言ってしまったほど。「まず鰻を感じていただきたいので、だしにかなりの量の頭と骨を使っています。無投薬で元気に育った鰻は脂もたっぷり! その脂を余す事なくスープに反映させたくて白湯スープに仕立てました」とご主人の荒川勝利さん。口当たりはまろやかでコクとうまみも十分。唇がくっつくくらいコラーゲンたっぷりなのにサラリとして飲みやすい。こんなスープ、他にあり得ません!

基本は100gですが量はリクエストに応じてくれます

その極旨スープに合う麺は渋谷の超人気店「麺の坊 砦」が製麺しました。荒川さんがスープを持参し、合う麺のイメージを固めることからスタート。こだわったのは歯ごたえ。ザクでもパツでもなくサクッ。そして決まったのが3回圧延をかけた6層の低加水の細麺「謹製麺」です。断面を四角にすることで細麺でもスープをまとって喉を通ります。食べ進めていくうちにサクッからトゥルに変わる食感も楽しい!

「らーめん 竹」1,300円

スープと麺に自信があるのでトッピングはできるだけシンプルにしています。でも薬味は季節によってみょうがや針生姜などをプラスするなど手が込んでいるし、自家製の「漬卵黄」は口直しにちょうどいい。味変に「山椒」も出してくれます。ツウは「漬卵黄」を残しておいて、羽釜で炊いたご飯をスープに入れて食べるそう。ぜひ白飯がセットの「竹」でトライしてみて!